8強で涙をのんだ広島皆実の1年生・三谷【写真:平野貴也】

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8強敗退、U-16代表の注目ルーキー三谷桂司朗「力の差を見せつけられました」

 メインコートに立つことはできた。しかし、力の差を見せつけられた。ウインターカップ2017全国高校バスケットボール選手権大会は27日に第5日を行い、男子の広島皆実(広島)は67-84で明成(インターハイ準優勝=宮城)に敗れてベスト8に終わった。

 恒例となっていることだが、大会は、会場となった東京体育館は4つのコートで分散して試合を行っていき、終盤はコートを1つにしてすべての試合を順に行う形式を採用している。会場の視線を集めるメインコートは、高校バスケット選手の憧れの舞台だ。

 華やかな舞台に立てた喜びはあったが、相手は強かった。広島皆実も先発陣は力のある選手が揃っており、インターハイ8強の力を持っている。昨年から主力の4人に、注目のルーキー三谷桂司朗が加わったチームだ。三谷は、身長190センチ、足のサイズは32センチ。まだ身体も成長中だ。

 長い手足を生かしたプレーが特長で、参考にしているのは、NBAのバックスに所属するヤニス・アデトクンボ。将来は、中も外もできるフォワードを目標としている。経験を積みながら、セットプレーを覚え、シュートもパスも少しずつトライして自分の物にしようとしている。

 チームは前半37-42とそれほど離されずに食らいつくことができた。しかし、エースの小川俊哉がマークされ、インサイドの要である身長191センチの深渡瀬海が第3ピリオドに4ファウルへ追い込まれて苦しくなった。深渡瀬のプレータイムを制限せざるを得なくなり、広島皆実は1年生の三谷をコンタクトプレーの多いインサイドに置いた。

 相手のインサイドプレーヤーは、米国ゴンザガ大でプレーする八村塁の弟である八村阿蓮。高さ、強さ、巧さを兼ね備えた注目選手だ。前半はシュートが入らなかった三谷だが、後半はチームの苦境を救おうと奮闘した。

指揮官、エースも認める1年生の伸びしろ「日本を代表する選手になって」

「攻撃はある程度できたと思うけど、守備は全然できなかった。ズルズルと点差を離された。力の差を見せつけられました。パワーもそうだし、全部ガンガン来るのではなく、急にフッと来て対応が難しかった。(八村は)違いましたね」と試合を振り返り、悔しそうな表情を見せた。

 今季のチームは、三谷以外の4人が2年生から先発を務めていたため連係力も高かったが、来季は大きく先発メンバーが変わることになる。新3年生がチームをけん引することになるが、大舞台を経験した三谷も中心選手の役割を担わなければならない。三谷は「今の3年生がいなければ、こんな貴重な体験はできなかった。来年は自分がチームのみんなに伝えて、今年以上の成果を残したい」と日本一への再挑戦を誓った。

 U-16日本代表にも選出されており、大舞台を経験してさらに成長することが期待される。藤井貴康コーチは「まだ遠慮がある。もっと良くなる」と確信しており、エースの小川も「アイツは、スーパー1年生。来たときから『こいつ、すげえな』と思っていた。世代別の日本代表に入っていないことが不思議だった(インターハイ後にU-16代表に入った)。リバウンド、ディフェンスの基礎を強かにやり続けるし、ドライブに行けば、しっかりと合わせるポジションに入ってくる。ボールを持ってからのプレーも力強い。普段は、おとなしい奴だけど、コートに入ったら頼りになる。このメインコートに立てたことは、大きな経験だと思うし、生かして日本を代表する選手になってほしい」と話し、エールを送った。

 試合は、明成の八村が44得点の活躍で目立つ内容となったが、対峙した経験を糧に、ルーキーは彼に負けない選手への成長を目指す。(平野貴也 / Takaya Hirano)