(写真=S-KOREA編集部)

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今年の韓国映画界を振り返れば、日本映画の躍進が目立った1年だった。

今年、韓国の映画館で上映された日本映画は12月11日時点で631作品。全体の22.3%で、昨年の639作品(24.7%)よりは減少している。

依然としてそのなかにはR-18指定や成人映画も含まれており、この数字をどう評価すべきかということに関してはさまざまな意見があるところだ。

(参考記事:韓国映画市場で日本映画がシェアNO.1、でも8割が「R18指定」の成人映画のなぜ!?

ただ、観客動員数だけを見れば、韓国における日本映画は好調だ。昨年の345万人より2倍以上増えた792万人になっている。

韓国映画振興委員会の統合システムによると、今年、日本映画の観客占有率は全体の4%だった。占有率が3%を上回ったのは2003年以降14年ぶりらしい。

『君の名は。』が日本映画の牽引役に

このような好調をもたらした牽引役は、新海誠監督の『君の名は。』だろう。

『君の名は。』は今年1月4日に韓国で公開され、全国947カ所の映画館で上映。累計観客動員数367万3876人を記録した。歴代日本映画興行ランキング1位、歴代海外アニメーション映画ランキング7位の快挙を成し遂げている。

“人気の証”ともいえる数多くのパロディが登場し、「ムスビ(結び)」という言葉がちょっとした流行語に。日韓関係は冷え込んでいるものの、かつてないほど日本の文化コンテンツに対する韓国人の関心が高まるきっかけとなった作品だった。

こうした『君の名は。』のヒットに続けと、韓国では3月に『シン・ゴジラ』『怒り』『湯を沸かすほどの熱い愛』が公開。5月には『聲の形』、10月には『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『君の膵臓をたべたい』『ちょっと今から仕事やめてくる』などが公開されている。12月には『メアリと魔女の花』の上映もあった。

特に話題となったのは『聲の形』『君の膵臓をたべたい』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』といった恋愛映画だった。スリラーや犯罪といったジャンルが多い韓国映画に嫌気がさした韓国人たちが、日本の恋愛映画に惹きつけられたという分析もある。

韓国の“成人映画栄枯盛衰史”を振り返ると、日本映画が良い意味でも悪い意味でもさまざまな影響をもたらしているが、今後は日本の恋愛映画が韓国の映画ファンたちに支持されていくかもしれない。

実際、とある日本の恋愛映画は今でも韓国で根強い人気と影響力を誇っている。

そのタイトルは『Love Letter』。いわずと知れた岩井俊二監督の長編第1作である。注目すべきは12月13日から韓国で3回目となる再上映を開始したことだ。

日本より4年遅れた1999年に韓国で公開された同作は、韓国政府が行った1998年の「日本大衆文化開放」以降、北野武監督の『HANA-BI』に続いて2番目に正式輸入された日本映画だった。当時、全国的に観客動員数115万人を記録する大ヒットだったと聞く。

特に中山美穂が「お元気ですかー?」と叫ぶシーンは強い印象を残したようで、韓国では“パロディCM”も登場したほど。今も韓国では「お元気ですか?」という日本語が普通に通じるくらいだ。

いわば日本のファーストインパクト的作品である『Love Letter』は、今や「恋愛映画のクラシック」「“冬に見たい映画”の最高峰」といわれており、2013年と2016年に続き、今年の冬もファンを喜ばせている。

まさに韓国における“日本映画のシンボル”ともいえなくもないほどだが、来年は1月に韓国で「歴代日本小説売上ランキング1位」となっている東野圭吾作『ナミヤ雑貨店の奇跡』の実写映画が公開を控えている。長年愛されている原作のように映画もヒットするかどうか、注目が集まるところだ。

ちなみに、今年11月に「釜山国際映画祭」に出席した中山美穂は、こんなコメントを残している。

「去年台湾で『Love Letter』が再上映したとき、こっそり台湾まで行きました。もし韓国でも再上映されたらこっそり観にいくかも」

はたして彼女の“お忍び訪韓”は行われるか。韓国の日本映画ファンにとっては、それもまた映画を観に行く上での楽しみの一つになるかもしれない。

(文=慎 武宏)