2018年はどういう相場になるだろうか。大発会は、お正月休み中の海外株式や為替の影響をわずか1日で織り込むことが多い(撮影:尾形文繁)

東京株式市場は、そろそろ「お正月休み」に入るわけですが、年明け2018年大発会の日本株のカギとなるのは、「休み中の海外市場の動向」、といっても過言ではありません。

日本株は「エネルギーを蓄えている段階」

大納会を含む週と、大発会を含む週との間で日経平均株価の日々の変動幅をみると、2011年以降の直近6年間は、すべての年で大発会の日の変動幅が最も大きいのです。これはお正月休み中の海外株式や為替の影響を、わずか1日で織り込むためです。米国のニューヨークダウ平均株価は、2万5000ドルを前に足踏みを続けています。しかし、足踏みといっても、さらなる上昇に向けての踊り場であれば心配することはなく、主要指数が再び史上最高値を更新するようなら、年が明けても日本株を売る理由はありません。

では日本の個人投資家にとっていちばんわかりやすい日経平均株価は、これからどう動くでしょうか。現在は12月相場の高値と安値のレンジの上限近くでモミ合いが続いており、エネルギーが蓄積されている様子にもみえます。きっかけ次第で上方向に勢いづけば、11月9日につけた取引時間中の高値(2万3382円)を更新する可能性が高まってくるはずです。

ただ、そのためには海外投資家が買ってくることが条件です。年初に運用配分を決める長期の海外投資家による買いが入る傾向はあるにしても、1〜3月の期間においては海外投資家の買いは継続しない傾向も見受けられます。そのため、日経平均株価は2018年の早い段階で高値をつけてしまうのではないでしょうか。そして、その高値が2018年を通しての高値になることだってあるかもしれません。2017年の日経平均株価は1996年の歴史的な高値(2万2666円)を上回り、さらに上昇しましたが、だからといって、このままぐんぐん上昇が続くものではありません。

確かに市場ではいま強気見通しが大半です。しかし、最近の強い動きを近視眼的に見てしまっているため、2018年の動きも、足元と同じように置き換えてしまう傾向があります。筆者は、「2018年は次の上昇に備える値固めの年」で、再び日本株の大相場があるのは2019年からとみています。2012年冬からの大局的な上昇期間を考慮すると、さすがに半年〜1年程度の日柄調整の期間があってもいいのです。これは米国株も同じです。

最近、気になっているのが、米国の長期金利(10年債利回り)が、200日移動平均線の価格を意識しつつ、直近高値の2.46%(10月26日)を上回ってきたことです。「米国景気がよくなっているから」といえばそれまでなのですが、そもそも債券市場は独立した大きなマーケットです。

景気の良しあしの要因だけではなく、売られれば金利は上昇するし、買われれば金利は下がります。もし、今回の直近高値に加えて、さらに2013年以降の主要な高値をつないだ「抵抗線」を上回る状況になると、金利上昇に弾みがつく場面が2018年のどこかでやってくる可能性が高いとみています。仮に、2013年につけた高値水準の3%程度まで上昇し高止まりが続くと、米国景気に悪影響を及ぼしかねず、その際は株価の本格調整入りも視野に入ります。

2018年は「FANG」が米国株の足を引っ張る?

以前、10月の記事(「10月に日本株を買うと儲かる」は本当か)で「米国発のリスク」を3つほど挙げました。まずは、米国景気にピークアウトの懸念があること。2番目は、ボラティリティの周期に対するリスクです。ボラティリティといえば、一般的なのは米国のVIX指数(恐怖指数とも言われる)ですが、これはボラティリティ(市場の変動リスク)が高まると上昇します。そのVIX指数は2015年夏場以降、おおむね100日前後でボラティリティが高まる周期が訪れていて、最近ではその周期が70〜80日と短くなってきています。

次の70〜80日の周期が訪れるのは、2018年の2月下旬から3月上旬ですが、そのあたりに、ボラティリティが高まる局面がやってくるかもしれません。最後に、3番目は、米国のIT・ハイテク株の動向です。2015年から約3年間で2〜4倍近くまで上昇した大型ハイテク株のFANG(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)が、この先も米国の株式市場を引っ張っていけるでしょうか。むしろ年間を通しては調整によって、足を引っ張る要因になる可能性の方が高いと思います。

上記の3つのリスクが、米国の長期金利上昇によってもたらされるとすれば、すでにチャート上では危険信号が出ていることになります。

日経平均株価が2018年の早い段階で高値をつけたとして、その後も米国株の調整に引きずられることになると思いますが、6月あたりからは緩やかな上昇で前半の下落分を取り戻す展開を予想しています。

では、どんな銘柄が投資家から人気を集めるでしょうか。日本国内企業の円高対応力は増してきており、世界の実需をうまく取り込む企業への資金流入が続きそうです。海外では、米国景気の頭打ち感が台頭、欧州も政治不安定化に加え、やはり景気改善に頭打ち感が台頭するリスクがあります。一方、中国は金融引き締めに伴うリスクが指摘されるものの、景気はそこそこ強い。他の新興アジア地域の景気の堅調さも続きそうです。よって、先進国よりも新興国向けに強い商品を持つ企業が、高値を更新すると見ます。 

銀行株やインバウンド関連注目、マザーズ急上昇も?

一方、日本の国内政治は比較的安定し、景気は予想以上に堅調に推移するとみています。物色の方向性としては、2017年に買われすぎた半導体、機械、ゲーム株の一角が売られ、割り負けしている銀行株や、株価がなんらかの理由で低迷している「低位株」の全般的な底上げ基調が続きそうです。また、インバウンド関連株も再び騰勢を強める可能性が十分ありそうです。

2017年の仮想通貨のように、変動率が大きなマーケットとして、筆者が注目しているのはマザーズ市場です。指数が27年ぶりの高値を更新したジャスダック市場にいまのところ2017年のパフォーマンスは負けていますが、2018年は東証マザーズ市場がジャスダック市場に勝ると予想しています。もし、仮想通貨が暴落を繰り返すような場合、一時的には時価総額の規模で劣る小型株にも悪影響があるかもしれません。しかし、仮想通貨のボラティリティの高さは2018年も続く可能性が高く、最終的にはマザーズ銘柄に有利に働くのではないでしょうか。

マザーズ市場上昇の根拠の1つは、テクニカル面にあります。マザーズ指数の長期のチャート推移をみると、2012年以降、株価の安値は切り上がっており、2016年以降は、さらに「下値切り上げ、上値は平行型」の「三角保ち合いが形成されました。これはエネルギーが相当たまっている可能性を示します。

実際、12月27日にはマザーズ指数は1234.02ポイントとなり、2016年4月につけた高値(1230.82ポイント)を上回ってきました。いよいよ、2018年は騰勢を強める展開が予想されます。これは筆者の「妄想」ですが、テクニカル面などから予想すると、マザーズ指数は現在から5割上昇することも、ないとはいえません。