山田修(左)と堀岡桂子BNI VORTEXチャプタープレジデント(右)

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 今、ロータリークラブとライオンズクラブの後を追って急速に拡大しているのが、BNIという異業種交流組織だ。アメリカ生まれで、世界中で展開している。日本での歴史が浅いので、紹介されることがまだ少なかったが、会員同士の「リファーラル」、つまり人脈やビジネス機会の相互紹介によって生まれたビジネスの総数は年間で約78万件、総額は約579億円にも上るという。本連載前回記事では、BNIの有力チャプターの定例会に出席して見聞きした驚きの活動を報告した。

 今回は引き続き、BNI VORTEXの堀岡桂子チャプタープレジデントに、そのユニークな活動の内容をうかがった。

●堀岡プレジデントのチャプターは活発な活動を続けてきた

――日本でBNIはまだ発足10年強ですが、ずいぶんな伸長を果たしたわけですね。堀岡プレジデントのチャプターは?

堀岡 VORTEXというチャプター名は、「旋風を巻き起こす」という意味です。2014年10月に20名ほどで立ち上がりました。

――チャプターとして、VORTEXの規模感はどのようなものなのですか。

堀岡 現在私も含めて50名おります。日本にBNIのチャプターは246あって、平均のメンバー数は34.3名ですから、VORTEXは少し大きめのチャプターです。100名以上のメンバーがいるチャプターもあります。

――246あるチャプターのなかで、何か業績順位などはあるのですか。

堀岡 リファーラルの件数や、それによる売上額などの実績、定例会へのメンバーの参加率などさまざまな指標から各チャプターの成績表のようなレポートが作成されるのですが、おかげさまでVORTEXは近年上位に入っています。また3カ月以上にわたりメンバー50名をキープしたチャプターは「プラチナチャプター」という称号を与えられます。VORTEXはプラチナチャプターとして11月にアメリカで開催されたBNIグローバルコンベンションで表彰されました。

――活発に活動なさっていますね。メンバーになるには何か制限があるのですか。

堀岡 まれにウェブサイトからのお申し込みもありますが、大抵既存のメンバーの紹介があって、定例会にビジター参加してまずは体験していただきます。それから、これは重要なのですが、同じチャプターでは「1専門分野から1名限定」となっています。これは、チャプター内でビジネス上の競合が起こることを避けるためです。業種は問わないので、個人事業主、経営者、弁護士・会計士・税理士・労務士・コンサルタントなどのいわゆる士業、それから営業担当の社員の方などがメンバーです。

――変わったところではチェリストや出張PCインストラクターの方もいらっしゃいますね。私が出席した定例会でお聞きしていたら、リファーラルが実ビジネスに結びついた頻度が一番高かったのは新宿のレストラン店長の方でした。

堀岡 BNIの目的が、メンバー相互のビジネス拡大ということですので、メンバー同士のビジネス利用もとても活発です。どうせ会食や接待をするなら、メンバーがやっているレストランへ行こう、と。例えば名刺を刷るならメンバーの印刷業の方に印刷をしてもらおう、ハンコならハンコをつくられている方にとなります。

――私は、自分のかかりつけ医の先生がVORTEXのメンバーです。マッサージや整体によくかかっている、と申し上げたら、BNI名刺ファイルから、メンバーのリンパ療法・骨格矯正の先生を紹介してくれました。

堀岡 どうでした?

――なんといっても信頼する医師の紹介でしたからさっそく予約を入れたら、2カ月先までいっぱいなんですね。「ミシュランで星を獲得したレストランみたいだな」と思いましたが、お世話になりましたよ。お上手でさすがでした。

堀岡 その方も、BNIのメンバーそしてリファーラルの恩恵をとても受けている例だと思います。

●役員は持ちまわり、堀岡プレジデントも新任

――堀岡プレジデントはVORTEXチャプター発足時の立ち上げメンバーだったのですか。

堀岡 いいえ、1年ほど前に入会しました。実は、プレジデントにはこの10月に就任したばかりなのです。

――ご自分で立候補なさったのですか。

堀岡 いいえ。新プレジデント指名に関しては前期と現期の3役、計6名からなる「指名委員会」があり、この委員会が「次は堀岡さんに」と指名されたのです。3役の他の2人は新プレジデントが指名してお願いします。その他7名からなる10人の役員で運営をしており、任期は6カ月です。

――ずいぶんシステマティックなのですね。

堀岡 BNIはアメリカで創立以来、世界中のよいやり方を取り入れてきて、ルール化してきています。確かに合理的です。私たちのチャプターの会員数は51名なので、半年ごとに10名の役員が選任されその役員の下に補佐がいる、ということから、ほぼ全員が持ち回りでチャプターの運営に携わります。

それぞれのチャプターはそこのメンバーによる自主運営が基本ですが、BNIとして運営の仕方が確立されているので、このように役員が交代してもやっていけるわけです。

――堀岡プレジデントがBNI活動で直接恩恵を受けたことはどんなことがあったのでしょう。

堀岡 この夏、初の著書『第0印象』(さんが出版)を上梓しました。この本は副題を「第一印象に備える自分のつくり方」としていますが、主に海外の実験データなどを紹介しながら印象の大切さを著したものです。VORTEXチャプターの皆さんがお買い上げくださり、また知り合いの方に紹介してくださいました。そのおかげで、八重洲ブックセンターのビジネス書の11月第2週で2位、次週6位と2週続けてトップ10にランキングさせてもらいました。

――それはすごい。

堀岡 そのほか、アマゾンのレビューを投稿くださったり、皆さんにとてもお世話になり感謝しています。

――新プレジデントとして抱負とかは。

堀岡 任期は6カ月と限られているので、一生懸命努めたいと思っています。さいわい、他の役員の方からも力強いご協力をいただいています。

――具体的な目標などがあれば教えてください。

堀岡 「スリーセブン」というのを掲げさせてもらいました。VORTEXチャプターのメンバー数を私の任期末の18年3月までに70名にすること、年間ビジター数を700名にすること、そしてリファーラルから実現された成約金額のことを「サンキュー金額」と言うのですが、それをこのチャプター内だけで7億円にするということです。これは大きな目標になりますので実現はもう少し先になると思います。

――7億円を70人のチャプターメンバーに持ってくる、ということは、1人会員当たり1000万円のビジネス金額を挙げよう、ということですね。皆さん熱心に活動なさるモチベーションがよく理解できます。会員数も増やしたい、と。

堀岡 メンバー70名を目指していますので、定例会参加ご希望の方はこちらにご連絡願います。

――どうぞ目標に向かってお力を発揮なさってください。本日はどうもありがとうございました。

堀岡 ありがとうございました。また定例会に遊びにいらしてください。


●対談を終えて 山田の感想

 BNI VORTEXチャプターの例会に出席した印象は強烈だった。都内山手線の主要駅近くの貸し会議室がその会場。

 朝の7時からというので少し前に行くと、受付には私(ビジター)を担当するホストの方々が待ち構えていて、何かと世話を焼いてくれる。メンバー皆さんの出席率もよいし、時間通りどころか、その前には入室している。私のようなビジターが入室すると、メンバーの方がそれこそ列を成して名刺を差し出して挨拶をしてくれた。規律と積極性が素晴らしい。

 定例会の運営がまた流れるようにスムーズ。7時ちょうどに始まると、その月の役員紹介から始まって、自分が受けたい紹介をアピールする「プレゼンテーション」、なんと持ち時間わずか35秒! そしてビジターも自分と自分のビジネスを紹介する、これも35秒。メンバーの方は研修を受けているので、スムーズに発表していた。

 2名ほどが別枠で各5分やるのが「メイン・プレゼンテーション」で、これは週による順番だそうだ。新メンバーがいると初めの紹介プレゼンは10分間やってもらうとのこと。その後はまた全員が順番で、前週に果たしたリファーラルの数とその代表例を発表した。こちらも1人1分もない。

 とにかくその運営が恐ろしいまでにオーガナイズ、システム化されているのがBNIだ。各自のビジネスの拡大に実際に役立っているので、これほどまでに皆さん熱心なのだろう。

 最後にご参考までに、いただいたチャプターのメンバーリストの分類を以下に紹介して、本稿の終わりとしたい。

――保険・士業
――経営支援・コンサル
――建築・不動産
――ヘルス・ビューティー
――個人向けサービス
――広告・印刷・グラフィック
――IT関連
――飲食

(文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント)