社歌の歴史を知る

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日本の企業は、社歌と呼ばれるものをもっているところが多くあります。これは文字通り、会社の歌です。日本の企業に関する研究は多くありますが、傍系に位置づけられる社歌に注目する著作はありませんでした。そのような中で貴重な研究となるのが寺岡寛による『社歌の研究:もうひとつの日本企業史』(同文館出版)です。

軍歌との近似性

本書では社歌の歴史をその成り立ちからていねいに追っています。特に注目すべきなのは初期の社歌は軍歌と近似性があるということでしょう。軍歌は隊員たちの士気を高揚させるような歌です。社歌もそこにおいては、企業への貢献を求める歌となるわけですから、お互いの性格が似通ってくるのはある意味では必然であるといえるでしょう。

産業と社歌

さらに、社歌の中には産業と密接な関わりがあるものもあります。いわば、会社だけではなく、その会社が手がけている事業や産業の発展などをテーマとする社歌があるということですね。本書では、工場やお客様を相手にする商業企業など、それぞれのジャンルごとの社歌にも注目しています。

入門書?

本書はあらゆる観点から社歌についてとらえていますから、まずは社歌とは何かということを知り、さらに社歌を通して企業研究を行う上でのヒントが多く見つかる本だといえるでしょう。