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Appleは12月4日から10日までのコンピュータサイエンス教育週間に合わせ、Hour of Code無料セッションをApple Store各店で実施した。AppleがHour of Codeに参加して5年目となる今年は「Today at Apple」のメニューとして、毎日プログラミング講座が開講されたのだが、それらとは別に、Apple 表参道にてジュニア向けプログラム「Field Trip(フィールドトリップ)」が実施され、東京都品川区の香蘭女学校の生徒19名が、スフィロのロボットボール「SPRK+」とiPadを使ったワークショップに参加した。

Hour of Codeは、コンピュータサイエンス教育普及を推進するNPO団体であるCode.orgが提唱している運動で、180カ国以上の生徒数千万人が参加している。Hour of Codeのイベントは誰でもどこでも開催することができ、この運動を以前より支援したきたAppleは、「Today at Apple」のメニューとして、期間中、毎日プログラミング講座を開講した。

今回実施したフィールドトリップでは、iPadとスフィロのロボットボール「SPRK+」を使ってプログラミングの基礎を学ぶ。アプリは「Sphero Edu」利用し、コードを書くことで本体の制御を行う。

ストア前に集合した香蘭女学校の高等科・一年生と二年生の19名が恒例のハイファイブで次々と入店。B1確保されたフィールドトリップ用のスペースへと向かう。着席すると、全員がフィールドトリップ参加者に配られるTシャツに着替えた。Apple 表参道スタッフの自己紹介のち、スタッフから逆に生徒達にヒアリング。どんな学校なの?という質問に「緑が豊か」「ミッション・スクール」「狸が出る」などといった回答が寄せられる。

スタッフからのHour of Codeの説明に続き、Appleが標榜するコンセプト「Everyone Can Code」が紹介された。このコンセプトに沿ったカリキュラムでは、iPad向けのプログラミングの基礎が学べるアプリ「Swift Playgrounds」の課題を中心とした無料のHour of Codeガイドが含まれ、これにより、学校の授業、各地のコミュニティセンター、放課後プログラムの場で、簡単にプログラミング教育をスタートできるようになっている。学校側で、Swift PlaygroundsとHour of Codeガイドをダウンロードすれば、独自の1時間分のHour of Codeイベントも実施できるのだ。

Appleはプログラミングを楽しんで始めて貰いたいという強い思いがあり、今回のフィールドトリップもSPRK+と遊んで学ぶというスタイルで進行していった。最初にSPRK+とiPadをペアリングさせ、サンプルプログラムを実行する。サンプルを試すと映画『スター・ウォーズ』でお馴染みの『帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)』が聴こえてきた。SPRK+では、本体内蔵のモーターで音階を作って音楽を奏でるということができるのである。

ほかにも本体のLEDを点灯させるなどいくつかサンプルプログラムを動かしていたようだが、その間、あちこちから「可愛い」だとか「色変わる! 色めっちゃ変わる」といった声が上がり、「生きてるwww」という喚声も聞こえてきた。

SPRK+でどんなことができるか理解できたところで、Sphero Eduを使いコードを書いていく。「回転(直進)」「停止」といった基本的な動作が書けたら、方向を変えるなど段々と複雑なプログラムを構築していく。

ある程度までSPRK+を動かせるようになったところでスタッフからお題が。紙に描かれた迷路を辿るためのプログラムを書いてみようというものだ。生徒達はiPad Proでその紙をスキャン。iOS 11に標準搭載されている「メモ」アプリでは、カメラをスキャナーのように使って紙をiPadに取り込めるようになったのだ。画面に書類を映すと紙として認識され自動で撮影する。ちょっと歪んだ状態で取り込んでも真っ直ぐな形に直してくれるのだ。とても便利な機能なので、もしiOS 11がインストールされたiPadを持っているなら試してみて欲しい。

取り込んだ書類はPDFとして保存することもでき、それにApple Pencilから図や手描きの文字を書き込める。生徒達は取り込んだ迷路にApple Pencilでルートを書き込んでいった。

生徒達は考えたルートに沿って動かすためのコードを書くべく、床に実寸の迷路が描かれてるストアの階段下へと移動。長辺が90cmだからー、○秒回ればピッタリなんじゃない?などと計算しながらプログラムを組んでいく。

それぞれプログラムを書き終えたところで、SPRK+を迷路に置き、ゴールへ向けて走らせる。短時間の作業にも関わらず、目標へ向けて作ったプログラムは、皆、バッチリ動いていた。

香蘭女学校のICTセンター長・甲斐雅也教諭によれば、同校では全生徒がiPadを所有しているとのことだ。なるほど、操作に慣れているのにも合点がいく。また、社会科(政治経済)の中澤はるか教諭によれば、今回の参加者は理数系を選択している生徒だけではないとのことだった。実はプログラミングを学ぶということは、教科に関係なく、さまざまな局面で「使える」ものとなるのである。それは論理的な思考方法を育み、順序だてて物事を説明したり、何かの解決手段のために、他の解決手段を取り入れるといった方法論を身につけることと結びつく。香蘭女学校では、協同的な問題解決能力の育成を教育目標の一つとして掲げているが、プログラミング学習はその理念にも沿ったものとなると言えよう。

今回はSphero Eduを利用してコードを書いていったが、SPRK+は、Appleが提供するプログラミング学習アプリ「Swift Playgrounds」でも動かすことができる。Swift Playgroundsは、パズルゲームを解く感覚でプログラミング的思考やコーディングを身に付けられるというiPadアプリで、プログラミング初心者でも、楽しみながら学習できるというのを謳い文句にしている。先の「Everyone Can Code」では、誰もがプログラミング言語を扱えるようになることを目指しているのだが、Swift Playgroundsは、その案内役とも言える存在だ。

Field Trip以外に、Apple Storeでは、無料の学習講座「Today at Apple」を提供しており、そこでは、子供向けのKids Hourセッションで、今回同様、Spheroが販売する各種スマートトイを使ってプログラミングの基礎を学べるほか、12歳以上の受講者に用意されたセッションで、Swift Playgroundsを使ったプログラミングの概念を学ぶことができる。Today at Appleの情報はAppleのWebサイトやiOSの「Apple Store」アプリから簡単に入手できるので、これはと思ったセッションがあれば参加してみてはいかがだろうか。