天津市第二中級人民法院は26日、人権活動家の呉淦氏に対して国家政権を攻撃するインターネットでの言論拡散などを行ったとして懲役8年、政治権利剥奪5年の実刑判決を言い渡した。写真は天津市第二中級人民法院。

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天津市第二中級人民法院(裁判所)は26日、人権活動家の呉淦(ウー・ガン)氏に対して違法宗教活動者や職業的活動家、少数の弁護士などと結託して、国家政権を攻撃するインターネットでの言論拡散や街頭でのパフォーマンスを行ったとして、国家政権転覆罪を適用して、懲役8年、政治権利剥奪5年の実刑判決を言い渡した。

呉氏は福建省出身で1973年生まれ。「超低俗屠夫」などの名で活動していた。最初の活動事例として知られるのは、湖北省の宿泊施設の女性従業員が男性客3人から「特殊サービス」を迫られ、拒絶したことで争いになり、刃物で1人を殺害、1人を負傷させた事件。裁判所は故意傷害罪を適用する判決を言い渡したが、呉氏は正当防衛だったと主張した。男性客3人は地元政府の職員だった。

呉氏はその後も、一般人が「官」に不当に虐げられたとする批判活動を続け、2015年には江西省南昌市で、殺人事件の再審請求を求めて裁判所前で抗議活動を行っていた際に身柄を拘束された。

天津市第二中級人民法院は呉氏に判決を言い渡した後、「現行の政治制度に不満を持ち、徐々に国家政権を転覆させる思想を持つようになった」「長期にわたりインターネットを利用して大量の言論を散布し、国家政権と憲法に定められた国家制度を攻撃した」などとする見解を発表。「悪質であり社会に対する危害が大きい」などとして「法に基づき厳格に処分すべき」などと説明した。

天津市第二中級人民法院の見解は、呉氏についてインターネットを通じた活動を重視している点も特徴だ。中国では2000年を過ぎてから、インターネットで政府を批判する意見が増えた。危機感を持った政権側は、インターネットユーザーの意見発表を制限する動きを強めた。12年に習近平政権が発足すると、当局側に「プラス」となる情報発信も強化した。

さらに最近はITの積極活用に乗り出し、街頭カメラの大量設置と個人識別の画像認識を組み合わせた監視力の向上にも力を入れている。(翻訳・編集/如月隼人)