アップル税逃れ1.2兆円 日本で得た利益 過去10年/租税回避地に移転/本紙推計

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 スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」などを売る米国企業アップルが、日本での製品販売から得た利益をタックスヘイブン(租税回避地)に移すことで逃れた課税の総額は、2008〜17年度(米会計年度、10月〜翌年9月末)の10年間で最大1兆2326億円に上ることが本紙の推計でわかりました(グラフ)。17年度の税逃れ額は最大で1989億円に上りました。(杉本恒如)

 推計の主な根拠は同社の年次報告書と、同社の税逃れを調べた米国上院常設調査委員会の報告書(13年5月)です。世界四大会計事務所の一つで税務部門のマネジャーを務める専門家の協力を得て試算しました。

 同社の年次報告書によれば、日本での売上高は10年間で約11兆5千億円。日本での売り上げから生まれた営業利益は約4兆1千億円に達し、独占的地位を利用して極端に高い利益率を実現しています。他方で日本を含む外国での同社の税負担率は10年間にわたってわずか1・2〜6・2%という異常な低水準にとどまっています。

 これらのデータから日本での販売利益に関わる税逃れの最大額を推計したところ、12年度から毎年1400億円を超え、15年度は2227億円に達しました。アイフォーンが爆発的に売れた12年度以降の6年間だけで税逃れ総額は1兆942億円に上ります。

 米国上院委によれば、同社は南北アメリカ大陸を除く世界各国で得た販売利益の大部分を租税回避地アイルランドへ移転。この利益は各国政府、アイルランド政府、米国政府の課税を逃れ、ほぼ無税となっていました。

 こうして得た膨大な税引き後利益の一部を同社は研究・開発などにあてる一方、残りを海外に蓄積しています。蓄積した利益は17年9月30日時点で2523億ドル(約28兆円)に上ることが年次報告書に明記されています。税逃れの黙認は不公平な巨額補助金になるとともに、各国から富を流出させ経済の循環を阻害する要因になっています。