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●時代によって表情が変わる土地

東京・六本木。上杉や朽木、一柳といった「木」のつく大名の屋敷が6棟あったからその名がついたとも、6本の松の木があったからともいわれている。

つまり、江戸時代にはすでにあった土地であるが、当時はほぼ何もないところだったといわれている。

それから、およそ400年、六本木は東京を代表する繁華街になった。とくに1980年代、いわゆるバブル期には若者が娯楽を求めて、数多く集まってくる街となった。そこから生まれる文化やファッションは、社会現象ともいえるようなものだった。

ただ、バブル期特有のわい雑さも体現していた。電話ボックスやガードレールには怪しげなチラシが貼られ、始発が過ぎても飲み歩く若者やサラリーマンが横行していた。活気はあったけれども、お世辞にもキレイな街とはいえなかった。

○巨大なランドマークが街を変える

六本木を代表する、いや東京屈指のランドマーク、六本木ヒルズ

だが、バブルがはじけ、2000年代に入ると、様相が少しずつ変わってくる。そのきっかけのひとつとなったのが、2003年にオープンした六本木ヒルズだろう。高感度なショッピングができる商業施設、グルメをうならせるレストラン、映画館や展望台、そしてオフィスやレジデンスを備える、東京を代表する複合ビルとして誕生した。

六本木ヒルズの登場によって、言葉は悪いが“飲み屋街”からファッショナブルでビジネスパーソンが集う街となった。

たとえば、六本木ヒルズには、デベロッパーである森ビルのほか、ゴールドマン・サックス・グループやアップル、グーグル、フェラーリジャパン、バイドゥといったそうそうたる企業が入居している。これは、首都高を挟んだ北側にある東京ミッドタウンも同じで、三井不動産はもちろん、ナイキジャパン、コカコーラボトラーズなどが入居している。以前はヤフーも東京ミッドタウンに居を構えていた。

●リラックスしてビジネスができる環境

ともすれば、“大企業御用達”のお土地柄というイメージが色濃く染みついている。特に六本木ヒルズや東京ミッドタウンは、大企業でなくては入居できない、というイメージを持っている方が多いのではないか。だが、それも少しずつ変わり始め、ベンチャーや個人事業主でも六本木の巨大ビルが開放され始めている。

そのひとつの例が、六本木ヒルズに12月18日からオープンした「PARK 6」だ。これは、ノマドワーカーや在宅勤務者、フリーランスといったビジネスパーソンに、時間貸しでワークスペースを提供するシェアオフィス。PARK 6という名前のとおり、「公園」のような空間を演出し、緑豊かなリラックスした気分でワーキングできる環境を整えている。PARK 6の“6”は、六本木ヒルズの6階にあるからだろう。ひょっとしたら“六本木”の六と掛け合わされているのかもしれない。

ノマドワーカーやフリーランスは、個人事業主という例が多いが、それでも前述したような大企業との取引はあるだろう。大企業だけではなく、六本木はさまざまな企業や個人事務所の集積地だ。そうした企業と商談や打ち合わせをする際、六本木に拠点があるのとないのとでは、効率が異なってくる。喫茶店やレストランを使うという手もあるが、万が一にもネットワークが使えなかったり、談笑しているお客さんが多かったりで集中できないことも考えられる。さらに、コピー機やコンセントが使えない場合が多い。それならば、オフィスとして特化された施設でプレゼン資料を作ったり、メールなどで連絡を取ったりしたほうが都合がよい。

施設の概要をチェックしてみよう。PARK 6はおもに3つのスペースから成り立っている。打ち合わせやリラックスした休憩ができるパブリックスペース、集中して仕事ができるワークスペース、そしてその両スペースをつなぐような配置にあるカフェスペースだ。

パブリックスペースもワークスペースも、緑が豊かでリラックスして仕事に打ち込める。以前、オフィスの緑化を手がける企業を取材したが、そこによると緑視率は10〜15%が最適なのだそうだ。緑が多すぎても、かえってストレスを感じるらしい。PARK 6にある緑は、視認したところ10〜15%ぐらいに感じた。リラックスして仕事ができる環境といえるだろう。

○フリードリンクのコーヒーがウレシイ

そして、カフェ。オープンなワークスペースは1時間800円、集中できるように仕切られたブースは1時間1,100円となっている。利用者はフリードリンクでコーヒーが楽しめ、ワインなどのアルコールも販売されている。筆者も取材時にいただいたが、「パークシックス パワード バイ ボンドルフィ ボンカフェ」のコーヒーは味わい深かった。

さて、こうしたコワーキングスペースは都内に増えている。そのおもな理由は、ライフ・ワーク・バランスを重視するワーカーが増えているからだろう。会社にガチガチに縛られ、上司の機嫌をうかがいながら短くない残業をこなす。それよりも、趣味や子育て、そしてビジネスのバランスを考えている方が増えているのだろう。お話をうかがった森ビルの渡邉茂一氏が教えてくれた「ONとOFFとをシームレスに繋ぐ“サードプレイス”」というキャッチがそれを表している。