写真=iStock.com/PeopleImages

写真拡大

世界中から患者が訪れる歯科医師でありながら、累計120万部の作家である井上裕之氏。井上氏は仕事やプライベートで成功するためには、「結果へと最大の集中でフォーカスした『超・集中状態』を作ることが重要」といいます。そんな井上氏のメソッドについて、時間の区切り方、睡眠と起床、決断の基準という3つの点から紹介します――。

※本稿は井上裕之『なぜ、あの人の仕事はいつも早く終わるのか? 最高のパフォーマンスを発揮する「超・集中状態」』(きずな出版)を再編集したものです。

■スキマ時間ごとに区切って考える

スキマ時間をうまく活用することをいつも考えましょう。

たとえば、メールの送信です。

私は診療と診療の間に時間ができると、よく院長室にこもり、メールを書いています。

たった数分で書いたメールから大きな仕事につながったケースもあります。

「セミナーの後の懇親会でお話しした例の件、その後いかがでしょうか」

そんなメールを送ってみると、

「ちょうど検討していたところです。近々、打ち合わせをしませんか」

といったメールが返ってきます。

私からのメールが、相手に「やってみよう」という気持ちを起こさせるきっかけになったのかもしれません。

そうだとするなら、スキマ時間にメールを送らなかったために、せっかく芽を開きはじめたチャンスがしぼんでしまうこともあるということです。

たった数分の間に、成功のチャンスが潜んでいるのです。

■「ピリオダイゼーション」を駆使する

あらかじめ、スキマ時間にやるべきことを決めておきましょう。

いざ時間が空いたときに、「何をやろうか」と考えはじめたら、それだけで時間は過ぎてしまいます。ですから、「本を読む」「メールを書く」「資料をチェックする」など、やりたいことを明確に決めておくのです。すると、ほんのわずかの時間しかなくても、有効に活用することができます。

仕事を意図的に3分ずつに区切ることで成果を高める方法もあります。そのためには、まず仕事のプロセスを考えて、3分単位の作業ユニットに分解します。

そして、それぞれの作業ユニットに集中して取り組むのです。

こうした手法は、作業ごとにピリオドを打つという意味合いから「ピリオダイゼーション」というスキルとして、作業全体の効率向上にもつながることが科学的に証明されています。

スポーツの練習に当てはめて考えればわかりやすいでしょう。

長い時間だらだらと練習しても、ただ疲れるだけで効果はあらわれません。

それよりも、習得するスキルや戦略を明確化した3分の練習をいくつか考案して一つずつの練習に集中すれば、目標とするスキル向上を効率的に達成できるうえ、包括的な競技レベルも、だらだら練習していたときと比べて格段に向上します。

短時間だけ集中することのメリットは、そのほかにも考えられます。

たとえば、いつも10分間かかっている作業を、今日は「3分で片づける」と思うと、自分を追い込み、短時間に集中して成果を出そうという思いが強くなります。

人は追い込まれると、脳のリミッターが外れ、潜在意識が働きだし、無限のパワーが発揮されるのです。

■追い込み方には注意が必要

ただし「なにがなんでも3分以内で」という意識が強くなりすぎると、その作業を「こなす」ことが目的となってしまいます。それではいい仕事になりません。

集中力を発揮するのは、完璧な仕事を遂行することが目的です。

だから、ストップウォッチを3分に設定するような仕事のやり方は、むしろ逆効果になりかねません。大切なのは短時間だけ集中することによって、潜在意識を活性化させることです。

あなたにとって集中できる最小単位が「5分」であれば、5分を一単位として、その時間でできることを考えてみてもいいでしょう。

「ピリオダイゼーション」を駆使して、目の前の作業に臨んでみましょう。

■高生産性を実現する睡眠

私自身はそれほど睡眠の質にこだわっていません。

「できることなら眠ることなく働き続けたい」
「24時間仕事ができれば、それほどうれしいことはない」

そう思っている人間なので、眠ることにさほど意識が向かないのでしょう。

就寝時間もとくに定めていないので、必ず夜10時には寝るというような習慣はありません。疲れを感じた時間に床に就くだけです。夜9時、10時に休む日もありますが、たいていは深夜12時から1時くらいに就寝します。眠れないなら割り切って、仕事か趣味に時間を使ったほうが有効活用できます。

身体を動かしたり、雑誌を読んだり、なんらかの活動に時間を使ったほうがいいでしょう。

なぜなら、眠りもせず、かといって何をするでもない時間を過ごしても、潜在意識は活性化しないからです。

また、ボーッとした時間を過ごしてそのまま睡眠に入ると寝起きも悪く、その日は一日中、集中力を欠き、仕事の成果も出にくくなります。

仕事でも趣味でもかまわないので、何かをしていれば、そのうち潜在能力が刺激され仕事への集中力が高まってくることもありますし、本当に疲れて寝てしまうこともあります。

ですから、眠れないなら眠れないで、別のことをして時間を過ごしてみることをおすすめします。

■就寝よりも起床を重要視する

夜中の3時頃まで起きていると、翌日のパフォーマンスに影響が出ます。自分でも3時まで起きていないようにと気をつけているのですが、どうしてもその時間まで仕事をしなければいけないこともあります。そういうときは、必ず途中で仮眠をはさみます。

15分程度の仮眠をとるかどうかで疲れ方がまるで違います。

私は床に就く時間は決めていませんが、朝は必ず6時に起きると決め、活動をはじめます。

毎日の6時起きは身体が覚えてしまって、目覚まし時計をセットする必要はありません。

休日であってもだらだらと長く眠ることはなく、やはり6時になると目が覚めます。

先ほど、眠れないときには何かの活動に時間を使い、潜在意識を活性化させることをおすすめしました。それと同じで、ベッドのなかでまどろむのは贅沢なイメージがありますが、やはり何もしない時間をつくるのは潜在意識にはプラスになりません。

■即断即決してみる

あなたは人生の岐路で迷ったことはないですか?

「いまの会社で働きつづけるか、それとも転職するか」
「マンションを買うべきか見送るべきか」
「いまおつき合いしている人と結婚すべきかどうか」

そんな悩みがあるとき、悔いのない選択をしたいと、判断に時間をかけるのではないでしょうか。それは、自然な考え方だと思います。

しかし、どう判断していいかわからないことは意外に多いものです。

どちらもよさそうとか、どちらもしっくりいかないとか、考えれば考えるほど選択できなくなった経験を誰もが持っているのではないでしょうか。

そんなときは結局、判断ができないから次の一歩が踏み出せません。

後から振り返り、「あのとき一歩踏み出していればチャンスをつかめたのに」と後悔したこともあったことでしょう。

もう一つ、即断即決しないことの怖さは、選択しない思考や姿勢が潜在意識に刻まれることです。迷いは人の判断にブレを生じさせ、周りの意見に流されてしまいがちになります。アドバイスをくれる人であっても、親身になりあなたの悩みに向き合ってくれる人ばかりではないので注意が必要です。

----------

井上裕之(いのうえ・ひろゆき)
歯学博士、経営学博士、経営コンサルタント、コーチ、セラピスト、医療法人社団いのうえ歯科医院理事長、島根大学医学部臨床教授ほか国内5大学客員講師、ニューヨーク大学歯学部インプラントプログラムリーダー、日本コンサルタント協会認定パートナーコンサルタント、世界初のジョセフ・マーフィー・トラスト公認グランドマスター。1963年北海道生まれ。『自分で奇跡を起こす方法』(フォレスト出版)、『なぜかすべてうまくいく1%の人だけが実行している45の習慣』(PHP研究所)、『「学び」を「お金」に変える技術』(かんき出版)、『がんばり屋さんのための、心の整理術』(サンクチュアリ出版)、『潜在意識を使いこなす人 ムダにする人』(フォレスト出版)など

----------

(歯学博士/経営学博士 井上 裕之 写真=iStock.com)