店頭にはキャッシュレスを示す看板が

写真拡大

 電子マネーやクレジットカードの普及により世界各地で「キャッシュレス化」の動きが広がるなか、ついに東京都心でも大手企業による「現金使用不可」を謳った店舗が登場した。

 その名は「GATHERING TABLE PANTRY(ギャザリング・テーブル・パントリー)」。11月6日に開店したばかりのこの店舗を運営するのは、高級ファミレス「ロイヤルホスト」やステーキレストラン「カウボーイ家族」、天丼店「てんや」などを展開するロイヤルホールディングス(本社:福岡市、以下ロイヤルHD)だ。

 ロイヤルHDは同店を「キャッシュレス化と効率化による働き方改革の実験店」とし、次世代の新たな店舗モデルだとして意気込んでいるが、果たして上手くいっているのかどうか――実際に、開業約1か月を迎えた同店へと訪問し「キャッシュレス体験」をしてみた。

◆出店先は日本橋馬喰町――オシャレな雰囲気に感じた「ロイヤルらしさ」

 ギャザリング・テーブル・パントリーはJR総武本線(総武快速線)馬喰町駅の1番出口から小伝馬町方面に歩いてすぐの衣料品問屋街の一角にある。馬喰町駅は都営新宿線馬喰横山駅、都営浅草線東日本橋駅とも連絡しており、そちらを利用することもできるほか、JR総武線浅草橋駅西口からも歩いて10分ほど。隣接するスーパーマーケット「マルマンストア」の緑の看板を目印に行けば夜でも分かりやすい。ちなみに、向かいにはライバルになるであろう「デニーズ馬喰町店」も立地している。

 店舗の外装はクリーム色で、一見するとロイヤルグループだとは分からない。店頭には「キャッシュレス店舗」であることを示す看板と、メニュー例が掲げられている。

 クリーム色のドアを開け店内に入ってみると、ロイヤルグループ他店とは全く違うセメント(モルタル)打ちっぱなし、空調剥き出しの内装が目を惹く。ニュースリリースによると広さは約35坪と、一般的なファミレスよりもコンパクトだ。実はこの場所は最近までソフトバンクの携帯ショップとして使われていたそうで、飲食店にするには大規模な改装が必要だったことは想像に難くない。ましてやこの店舗は「実験店」であるため、内装にはそれほどお金をかけることはできなかったと思われる。しかし、そうしたなかでも観葉植物やインテリアで「ちょっとオシャレな雰囲気」を演出しているのは「流石はロイヤルグループ」といった印象だ。

 入店するとすぐに店員がやってきて空席を案内され、「キャッシュレス店舗」である旨と、注文に使うタブレット(iPad)についての説明を受ける。開業から約1か月とあって、スタッフの説明も手慣れており分かりやすい。筆者の来店時は比較的空いている時間帯であり、使い方の説明は非常に丁寧で時間をかけたものであった。

 店内のフロアスタッフとしては3人の女性の姿が見えた。全席ともスタッフからの見通しが良く、相席前提の大きなテーブルもある。この「見通しの良さ」も業務効率化の一環なのであろうが、座る位置によっては少し落ち着かない気分になるかも知れない。席によっては電源も用意されており、店内でパソコンを広げる人の姿も。電源席が必要な場合は事前にスタッフにリクエストしよう。

 メニューは、ロイヤルホストでも人気となっている「コスモドリア」や「ビーフジャワカレー」、「オニオングラタンスープ」をはじめ、「焼きブロッコリーのペペロンチーノソース」、「自家製オリーブマリネ」、「牛すじのビール煮」などといったユニークなアペタイザー(前菜)、バル(居酒屋)メニュー、酒類、デザートも取り揃えられており、価格帯は一般的なロイヤルホストとほぼ同じ。一部メニューは都内のロイホよりもわずかに安い価格設定で、ワインなども比較的リーズナブルな値段だ。平日夜は22時半まで営業しており、仕事帰りの「ちょっとオシャレな一杯を」という需要も満たす。