こんにちは。料理研究家の越野美樹です。

年の瀬も迫り、1年でも1番の忙しい時期。温かい手作りの食事を作って食べたいけど、時間がない…。そんな方に、今回は「きのこのハヤシライス」をご紹介します。



ハヤシライスは海外の料理をイメージして日本で作られた料理。「ハッシュドビーフ・ウィズ・ライス」の「ハッシュド」がなまってハヤシライスになったという説と、林さんが考案したという説があります。本格的なハヤシライスは、牛肉や玉ねぎ、マッシュルームなどをデミグラスソースとトマトソースでじっくり煮込んでいきます。



今回はお肉の代わりにたっぷりのきのこを使って、トマトケチャップとウスターソースでさっと仕上げます。きのこのうまみや、ケチャップ、ウスターソースに含まれるスパイスや調味料の複雑な味わいがあるから、さっと短時間炒め煮するだけでコクのあるハヤシライスに仕上がりますよ。調味料として加えるみそが、深い味わいのミソです!

■きのこのハヤシライス
調理時間 15分

レシピ制作:藤野料理教室にじ 越野美樹


<材料2人分>
にんにく 一片
玉ねぎ 1コ
にんじん 1本
お好みのきのこ 200g
オリーブオイル 大さじ1
塩 ひとつまみ
トマト水煮缶 400g
ウスターソース 大さじ2
トマトケチャップ 大さじ1
みそ 大さじ1
かたくり粉 大さじ1

<作り方>
1、にんにくと玉ねぎは薄切り、にんじんは半分に切ってからななめ切りにする。きのこは石づきをとりのぞいて一口大に切る。



2、鍋にオリーブオイルを入れて弱火で熱し、ニンニクと玉ねぎを炒める。香りが立ったら中火にしてにんじん、きのこと塩を加えてキノコがしんなりするまで炒める。

3、トマト水煮缶を木べらなどでつぶしながら加え、ひと煮立ちしたらよく混ぜながらウスターソース、トマトケチャップ、みそを加える。

4、同量の水で溶いたかたくり粉を鍋肌から加え、木べらで良く混ぜながら煮詰まったらできあがり。

今回は、しいたけ、しめじ、えのきの3種のきのこを使いましたが、どんなきのこでも楽しめます。市販のハヤシライスのルーは大量に油が使われていますが、この「きのこのハヤシライス」に使っている油は、たったひとさじのオリーブオイルだけだから、さっぱりいただけます。バターライスのかわりに、オリーブオイルをお米2合につき大さじ1加えて炊くと、コクのあるご飯が炊き上がります。

■「きのこのハヤシライス」のアレンジ例

「きのこのハヤシライス」があれば、どんなものでも本格的な洋食になります。

<ハンバーグに添えて>


ハンバーグに「きのこのハヤシライス」をのせれば、本格デミグラスソースの煮込みハンバーグ風のできあがり! できたてのアツアツを食べたいですね。

「きのこのハヤシライス」をオムレツに添えればデミ・オムレツに、パスタに載せればデミ・パスタに。パンに添えてもよく合いますし、ゆで卵やトンカツにのせたり、グラタンやポークソテーのソースにしたり、パイの具にしたり、とどんな料理も本格的な味にアレンジできます。



師走には、あったかいルーをかけて、一品完結のハヤシライスをハフハフ召し上がれ! トマト風味の「きのこのハヤシライス」は、お子さんもきっと喜ぶことと思います。

(越野 美樹)