東日本震災前に重度うつ傾向の人、当日の死亡率4倍

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 東北大学と千葉大学、米ハーバード大学などの研究グループが東日本大震災による死亡率と、震災前の健康状態や行動などとの関連性を調べたところ、震災前に重度のうつ傾向にある人は、震災当日の死亡リスクの高いことが分かった。災害前の被災者の特長を調べた研究は世界的にも珍しい。避難が遅れやすい人の支援策立案など防災対策強化につなげたい考えだ。

 震災7カ月前の地域在住高齢者情報と津波による死亡原因との関連性を調べた。津波の浸水地域の860人を対象に、性別、年齢や疾患既往歴、生活習慣などを考慮し、死亡リスクを解析した。

 その結果、震災前に重度のうつ傾向だった人の震災当日の死亡率は12・8%で、全体に比べて3・9倍高かったという。居住地の海岸線からの距離や年齢などの要因を考慮したとしても、有意性があった。

 親と同居する人や友人との交流が多い人も当日の死亡リスクが高く、親や友人を助けようとして避難が遅れた可能性が示唆されている。
 
 また、震災後約3年間の影響も調査し、震災後は、友人との交流がある人ほど、死亡リスクが低いことも分かった。被災後に孤立している人のケアの重要性が改めて示された格好だ。