ファウルトラブルに見舞われるも16リバウンドの八村阿蓮【写真:平野貴也】

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ウインターカップ男子3回戦、強豪・洛南相手に主力の出場制限を強いられる苦境も…

 ピンチはチャンスなり――。大黒柱のファウルトラブルを乗り越え、メインコートに辿り着いた。ウインターカップ2017全国高校バスケットボール選手権大会は26日に第4日を行い、男子の明成(インターハイ準優勝・宮城)は、62-59で洛南(京都)に競り勝ち8強入りを決めた。最後は、3点差を追う洛南に何度もシュートを狙われたが、センター八村阿蓮がリバウンドを連発し、リードを守り切った。

 八村の兄は、2年前に三連覇を達成した時のエースで、現在は米国のゴンザガ大でプレーする八村塁だ。弟・阿蓮も196センチの長身で運動能力も高く、攻守両面でチームを牽引する主力として活躍している。

 しかし、この試合では前半で4ファウルに追い込まれ、プレータイムを制限される苦しい展開になった。あとファウル1つで退場……。当然、明成は最後の勝負所に大黒柱を残すため、八村を交代させながら試合を進めなければならない。

 だが、有利になるはずだった洛南のポイントガードを務めた大橋大空は「向こうが、上手く対応してきた。別の選手がファウルを(辞さない厳しいプレーを)してきて、上手く対応し切れなかったのは痛かった。リバウンドにも(代わりに入った選手ではなく)他の選手が飛び込んで来て、そいつが来るのかと思わされるところがあって、少し崩れてしまった部分はあった」とやりにくさを感じていた。

主力の穴を全員でカバー、主将も対策に自信「あまり、不安はなかった」

 明成は、身長186センチの蒔苗勇人を投入。そのまま八村の代わりをするわけでなく、特に攻撃はシューターの田中裕也、長身シューティングガードの相原アレクサンダー学を軸とした攻撃に切り替えて、相手を翻弄した。

 海千山千の佐藤久夫コーチは「阿蓮は(4ファウルの後)良くやった。我慢をして、やるべきところをやった。阿蓮がファウルトラブルでいなくなって、向こうの想定外のゲームになったのではないでしょうか。洛南(の準備)は、阿蓮がいての想定ゲーム」と主力の離脱を逆手にとって相手のプランを崩しにいったことをほのめかした。

 準備は、できていた。明成の主将を務める相原は「阿蓮が(ファウル)4つになった場合のことも練習してきた。僕たちに任せてくれたので、自分たちが自信を持って強気でやらなければいけないと考えた。あまり、不安はなかった」と振り返った。

 後半、八村は守備に専念。ファウルに気をつけながらのプレーだったが、リバウンドやインターセプトで活躍した。特に終盤は、追いつこうと必死の相手が放つシュートのこぼれ球でリバウンドに勝ち続けた。攻撃は田中と相原がリード。田中が3点シュートを沈めれば、相原は難しいフェイドアウェイジャンパーを遠くから決めてみせ、ともに18得点を叩き出した。大黒柱のファウルトラブルをしっかりと乗り越え、粘る洛南との接戦を勝ち切った。

 まだ、負けるわけにはいかない。そのために、あらゆる局面を想定してきた。インターハイの決勝戦では、福岡大大濠(福岡)に1点差で敗れて栄冠を逃した。目標は、あと一歩で逃した日本一だ。翌27日の準々決勝では、広島皆実(広島)と対戦する。(平野貴也 / Takaya Hirano)