東京五輪世代の日本代表を率いる森保一監督

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 東京五輪世代の日本代表(現U-20日本代表)を率いる森保一監督は26日、都内のJFAハウスで記者会見を行い、来年1月に中国で開催される『AFC U-23選手権2018』に臨むU-21日本代表メンバーを発表した。

以下、森保一監督会見要旨

●森保一監督

「来年行われますAFC U-23選手権に向けてですが、どんな大会に参加するにあたっても、1試合1試合の勝利にこだわっていく、その大会の大きな成果にこだわっていくということ。この大会でも頂点目指してやっていきたいと思っています。またアジア選手権は私が監督として、12月にタイで行われたM-150杯に続いての大会参加になりますが、初の公式戦ということで、AFCでのレギュレーション等、チームとしてもその中でやって成長できればと思っています。2回目の大会活動ということで、タイでの大会参加とは違って大幅に選手を変えて参加するということで、この年代の選手を幅広く見ながら大会でも良い成果をあげられればと思っています」

――今回の長い活動期間で、U-20W杯メンバーも多くいる中で、どのように強化を進めたいか。

「今年、内山(篤)監督が率いて、U-20W杯に出た選手が多く今大会に参加してくれる、招集させてもらえるということで、タイの遠征とは違ったメンバー、この年代では世界大会という大きな大会を経験したメンバーの多くが来てくれるということで、その選手たちがどういうパフォーマンスを見せてくれるか、そしてこれからのポテンシャルをどう見せてくれるかというところを、彼らを含めてチーム全体で見ていきたいと思います。私がやろうとするコンセプトという意味でもチームとして、浸透させていく、少しでも多くの選手に分かってもらうということで、タイの大会からメンバーを変えて、この大会に臨むということで、より練習で落とし込みができるように、またミーティングを含めて、個人のコミュニケーションを含めて、言葉で伝えいくということを、チーム全体で一人でも多くの選手に分かってもらえるように、そして次のステップに向かって良いベースができるようにしていきたいと思います」

――久保建英選手が外れているが外れた理由は。

「選手の招集は私と西野(朗)さん、日本協会と各クラブの話の中で、プレーヤーズファーストという観点から、1年間、どの選手もハードワークしていると思うが、出場時間が長かったりとか、いろんなカテゴリーでプレーして、心身ともに疲労しているだろうと思われる選手は、ここは来てもらって見たいという気持ちはあるが、プレーヤーズファーストということで、少し休んでもらって、また新たな機会で見させてもらうことのほうが良いのではないかと話し合って、クラブとの調整をして頂いて招集はしていません。そこは久保建英だけでなく、今回何人かの選手はそういう観点から招集はしていないということはあります」

――タイ遠征から引き続き選ばれている選手がいるが。

「まずはパフォーマンスが良かったからというところ、もちろん他にもパフォーマンスが良かった選手、これからまだまだ伸びるだろうなと思わせてくれるポテンシャルを見せてくれた選手はまだまだ他にもいるので、できればもっと連れていってあげたいと思っていますが、今回また中国でのアジア選手権のところで、違うメンバーを見ながらやっていこう、チーム作りをしていこうというところで今回は6人ですか、6人の選手にパフォーマンスと、あとは今回のチーム作りの中でのポジション的なバランスも含めて、また継続して来てもらうことになりました」

――最初の公式戦ということで戦い方や意識に変化は。

「タイとの違いがあるかと言われればありません。なぜなら、大会に臨むにあたっては、公式戦であろうと違う大会であろうと、いろんな試し方とか、トライすることのポイントが違うことはあるが、すべて勝負にこだわっていくということ。それは練習試合でも、公式戦であっても、オフィシャルの大会でなくても、私自身が常に考えていきたいと思いますし、選手やスタッフにも勝ちにこだわるというところ、結果にこだわるというところは持ちながらやっていきたいと思いますので、今回のアジア選手権だから特別ということはありません。ベストを尽くしてやっていくのに変わりはない」

――MFのカテゴリーに入っている選手が多いが意図やメッセージは。

「MFは確かに多いです。ただ、選手にはメンバー発表の段階でのポジション分けは皆さんにお伝えしていることはあると思いますが、選手には複数のポジションをやってもらおうと思っているし、FWの選手も中盤をやってもらったりとか、中盤の選手が前線、FWにいったり、ディフェンスに回ったりと、複数のポジションをやってもらおうと思っている。この表記だから、そこだけとか、中盤の選手だけを多く集めたという狙いではない。これから先、選手の招集にあたっても、選手に前回のタイの大会のときも伝えたが、複数のポジションをやってもらうと。今回もそうですが、フィールド20人、GK3人というメンバーの中で、最大6試合をやっていくというところ。五輪を見据えたときも中2日で、招集メンバー18人でマックス6試合を戦わなければいけないということは、一人が一つのポジションしかできない、GKは別ですが、選手が一つのポジションしかできないことになると、ケガ人、あるいは疲労やコンディションの部分でチームとして機能しなくなる。機能不全をなくすためにも、選手には複数のポジションをこなしてもらえるように、誰がケガしても、誰が体調不良、コンディション不良になっても、チームとしての力が、機能が落とさないで戦えるように、あるいはいろんなオプションをもって戦えるようにということで、複数のポジションはやってもらうということは、ミーティング等でも選手に伝えていきたいと思います」

――そういう考えの結果、そういう性質を持った選手がMFのカテゴリーに増えた。

「私自身は深く考えていなくて、ポジション的なところは。そのときになって、練習を見て、試合に向けてやっていく段階で、またポジションはある程度なっていくとは思うが、分けていくと思います」

――今大会の目標は。前回(手倉森ジャパン初陣)はベスト8でしたが。

「前回のことを言われると前回よりも高いところということをやっていきたいと思いますが、全部の試合をこなしたいし、決勝まで行って優勝を目指してやっていきたい。相手は2歳年上のメンバーが中心に編成してくると思うが、今回日本代表として選ばれるU-21の選手も、そこの対戦国とマッチアップしたとき、同等の試合をやってもらえると思って招集しているので、年はあまり気にしていない。12月のタイでの大会も対戦相手はU-22で、U-23のシュミレーションとして戦ってきたチームがほとんどだったが、その中でも選手には、相手がカテゴリーが上だとか、一切言わずに戦ってきたし、彼らの成長を考えたりとか、世界を見据えたときには、この年代でも十分に、2つ年齢が上の選手と対等に戦わないといけない。そういう思いを持って私もやりたいと思うし、選手にも強い気持ちを持って臨んでほしいと思う。年上のメンバーにも勝ってやるという強い気持ちで臨んでほしいと思っています」

――まず選手に自分の考えを浸透させて次のステップへ進みたいと話していたが、ステップアップのイメージは。

「まずは、とにかく個の力を上げてもらえるように、その気持ちを持ってもらえるように、選手には働きかけていくということと、私も含めてスタッフもサポートしていくということ、プラス組織で戦うんだというところは、練習やミーティングで言葉で伝える部分でも、選手には働きかけていきたい。大枠はみんなで戦い、みんなで勝っていく。みんなで力を合わせていくという部分、そこは個の強さも求めるが、組織としてやっていくということを同時に練習で伝えていきたいと思います。攻撃は速攻も遅攻もサッカーにはあるので、そういうことができるようにというところ、守備もボールを奪いに行く守備と相手にやらせない守備、そういうところも含めて全員が関わっていけるように、全員で攻撃する、全員で守備をする、そういうバランスを持って戦うことをトレーニングでやっていきたいと思います」

――天皇杯決勝残っているチームの選手、遠藤渓太選手もいるが。

「そこの交渉は、選手の招集についてはリストアップさせて頂いて、あとは協会の方と西野さんとクラブの方がコンタクト、コミュニケーションをとって頂いて、招集をさせて頂いていることで、今回彼は天皇杯決勝まで行って、休む期間もないと思うが、招集のタイミングを含めて、すべて上の方にお任せしているので、今回来てくれることになって、本人の意志とクラブが派遣して下さるというところ、そこで話をして下さった方に感謝したいと思います」

――複数ポジションをこなしてほしいということだが、五輪の本番まで、所属クラブでどう意識してほしいか。

「複数のポジションということを言いましたが、そこは言葉の一人歩きはしてほしくないと思っている。私の言葉が足りないかもしれませんが、まずは選手は日常、クラブで練習して生活をして代表にきてプレーをしてもらう。代表でも短い活動の中で必ず成長してもらえると思うし、成長できるように働きかけていきたいと思う。そして代表の活動を通して、日常のクラブに、選手には戻ってもらったときに、クラブは選手を宝として、クラブの財産として、少しでも価値を高めることで働きかけをしていると思うので、そのクラブで成長してもらえる経験を、代表でしてもらい、クラブに帰って生かしてほしいという思いは持っているし、クラブから選手をお借りして、我々は活動できると考えている。代表とは違うポジションと言われましたが、そういうケースもあると思うが、複数ポジションをやることについては、何でもどこでもやれる、何でも屋になるのではなく、まずは選手のスペシャルな部分、特長があると思うので、その特長を生かすというのは、生かして伸ばして成長させていくというところは、クラブの皆さんが考えていることと同じだと思うし、まずはスペシャルなところを磨いてもらう。プラス、また違うことができれば、本人のさらなる成長につながるのではないのかなと、我々の代表の活動、大会で結果を出すために必要な戦略の中で力をつけてもらうという部分で考えている。最初からFWもできて、DFもできるのではなく、攻撃が特長の選手であれば、そこの特長をしっかりと見てあげて伸ばしていってあげたいし、プラスアルファのことができるようになると、チームとしてはそういう戦いをしなければいけないということを伝えつつ、選手を見ていきたいと思います」

――U-20W杯ではリーダーシップのとれる選手がいないと感じたが、今回のメンバーでキャプテンは。

「キャプテンは誰にするかは現時点では考えていない。練習を見て、そこで決めようと思っている。リーダーシップをとれる選手は、決めて出てくるものでもないと思っているし、自然とグループの中にいて、リーダーシップをとっている選手が見えてくるとか、あるいは元々持っているものでリーダーとしてずっとやってきている、性格的にキャラクターとして、ずっとやってきた選手は自然に見えてくると思うので見極めていきたいと思います。今の選手という言い方はおかしいけど、先ほど言われましたリーダーシップはU-20W杯のときにあるように思われなかったということに関しては、そこは選手のキャラクターもいろいろあると思うし、ただどの選手もより高みを目指してやっていくことを、胸に期する思いを持ってやっているということは間違いなくあると思う。その思いを見ていきたいと思う。キャプテンは練習を通して決めていきたいと思います」

(取材・文 折戸岳彦)
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