引いた風邪を撃退する“2ステップ摂取法”とは【写真:photolibrary】

写真拡大

水分とエネルギー源は必須…ミネラルを含む果物やスポーツドリンク、ゼリーが理想

 どんなに体を鍛えてたり、予防に努めても、少し気が緩んだ隙に風邪を引いてしまうことはよくある。Jリーグの横浜F・マリノスやラグビートップリーグのパナソニックワイルドナイツなどの栄養サポートを手がける、公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏は「風邪の症状や程度に合わせた食事法が回復を早める」と話す。食欲がない、飲み込むのもツライ……、そんな時にもしっかりと栄養を摂る食事について訊いた。

──────────────────────────────

 どんなに予防に努めても、風邪を引いてしまうことはあります。なかには食欲がない、喉が痛くて上手く飲み込めないといった理由で、食欲が落ちてしまうこともあるでしょう。そんな時は「早く治るようにたくさん食べなくては」と、無理矢理に食事を口に押し込まなくて大丈夫。その時の具合を見ながら、必要な栄養素を効率良く摂る。そんな食事や食材の選び方をぜひ覚えましょう。

 風邪を引いた時は、引きはじめなのか、重い症状が出ているのかで食事の仕方が変わると思います。本格的な風邪まで至ってない時は、体力や抵抗力を奪われないよう、栄養たっぷりで体を温める食事が良いでしょう。

 コツは「2ステップで食べるものを考える」です。

 第1ステップは、「食欲がなくても水分とエネルギー源になるものを摂る」。体にこもった熱は汗となって体外に排出されるので、発熱すると体は水分不足になりがち。水分は体の機能をスムーズに働かせるために必要なので、症状が重く、全く食べられない時でも、水分だけはまめに補給するようにしましょう。できればエネルギー源とミネラルも補給したいので、真水や白湯だけでなく果物やスポーツドリンク、ゼリーなども交えてください。

タンパク質を摂るには、ヨーグルト以外にバニラアイスクリームがオススメ

 第2ステップは、「食欲が回復したらタンパク質、ビタミン類、ミネラルを摂る」。発熱時は体が細菌と戦っているため、体力を消耗します。ストレスによって消耗されるタンパク質はお米やうどんにも含まれているので、梅干しを乗せたおかゆや温かいうどんなど、のど越しの良いものから食べはじめましょう。スープや梅干しなどの塩分から、ミネラル分もしっかり補給できます。もちろん、水分やエネルギー源は引き続きしっかり摂ります。

 タンパク質はなかなか摂りにくいと思いますが、ヨーグルト、そして特にバニラアイスクリームはおすすめです。一般的にアイスと呼ばれるものは、乳固形分と乳脂肪分の量によって「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」に分類されます。このうち、商品の成分表に「アイスクリーム」と表示されているものが熱量が高く、食欲が落ちた時におすすめ。脂肪分が多く含まれているアイスクリームには、タンパク質もエネルギーも含まれるため、食欲のない時の栄養補給にピッタリです。

 その他、症状別に良い食材やメニューもご紹介します。ぜひ活用してください。

風邪の症状別に効く食材やメニューとは?

【鼻水、鼻づまり】
<食材>
風邪の初期症状に見られる鼻水、鼻づまりには体を温める食材や粘膜を強化するビタミンAを。生姜やねぎ、にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、ピーマン、レバーが代表的。

<メニュー>
具だくさんの豚汁、シチュー、かぼちゃのポタージュスープ、鳥の水炊き、豚肉とねぎの鍋物、レバーの生姜煮

【せきや喉の痛み】
<食材>
粘膜が弱っているため、炎症を増す刺激物は避けて、のど越しの良い食材を選びましょう。例えばうどんや雑炊、アイスクリームやゼリーなど。唐辛子や酢の物など辛味や刺激が強いものは控えます。

<メニュー>
卵とじうどん、月見そば、マグロの山かけ丼、親子丼、茶碗蒸し、ゼリー、プリン

【発熱や寒気】
<食材>
エネルギー補給を補給して体温を上げるタンパク質を摂ります。ただし消化器が弱っているため脂質は控えましょう。エネルギー源ならばご飯、うどん、餅。食欲のない時は果物やゼリーを。タンパク質はたら、かれいなどの白身魚、卵や豆腐、鳥のささ身、ヨーグルト。

<メニュー>
卵豆腐、雑煮、白身魚の煮物、卵粥(ねぎ、しょうが入り)、旬の果物、アイスクリーム、ゼリー飲料、スポーツドリンク

【下痢や吐き気】
<食材>
何よりも水分をまめに補給。消化器に負担をかけず、水分、糖質(エネルギー源)、ミネラルを同時に補給できるものが理想的。

<メニュー>
梅干し入りがゆ、ミルク粥、うどん、スポーツドリンク、野菜スープ、オレンジジュース、旬の果物(冬場はみかんやりんご)(長島恭子 / Kyoko Nagashima)

長島恭子
編集・ライター。サッカー専門誌、フリーランスを経て編集ユニット、Lush!を設立。インタビュー、健康・ダイエット・トレーニング・ヨガを軸に雑誌、WEBでの執筆や、ムック、単行本を企画・制作。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『肩こりには脇もみが効く』(藤本靖著、マガシンハウス)など。