復活するデロリアン、発売延期は政府によるガイドライン制定の遅れが原因
アメリカ連邦議会は2015年に "Low Volume Motor Vehicle Manufacturers Act"と呼ばれる法律を含む3,050億ドル(約35兆円)規模となる連邦道路案H.R.22に署名し、法を成立させた。この法により、"デロリアン復活"を目指して新たに設立されたデロリアン・モーター・カンパニー(DMC)のような、世界における年間生産台数が5,000台以下の小規模な自動車製造会社に対し、米国で325台のレプリカを製造する道が開かれた。

しかし、クルマが製造される前に環境保護庁(EPA)、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が最終的なガイドラインを制定しなくてはならない。つまり、一般的な用語で書かれた法律を、自動車業界の基準となる具体的で施行可能なガイドラインに書き換える必要がある。法の成立後12ヶ月以内に最終的なガイドラインを作成することになっているのだが、EPAもNHTSAも未だに最終決定に至っておらず、決定の時期についても未定である。これが、再生産されたデロリアン「DMC12」の新車がなかなか発売に至らない理由だ。
両機関が合意したガイドラインなしに、DMCをはじめ、Checker Motor Cars、Revology、Superformance、Factory Fiveといったレプリカの製造に意欲的な小規模の自動車製造会社は実際にクルマを製造する訳にはいかないだろう。先に製造を開始し、ガイドラインを満たすことを願いながら最終決定を待つことも可能だが、それは危険な賭けだ。ガイドライン制定まで、小規模の自動車製造会社は計画への熱意を維持しようと努めるが、無期限に待たされることをサプライヤーたちが望むはずはない。DMC副社長のJames Espey氏はクラシックカー情報サイト『Hemmings』に「デロリアン・ブランドはサプライヤーにとってもチャンスの扉を開くことに大きく貢献しましたが、今後も彼らを引き留められるとは限りません」と語っている。

SEMAで連邦政府関連部門のシニア・ディレクターを務めるStuart Gosswein氏によると、EPAはガイドラインの草案を既にまとめているが、NHTSAはまだであるとのこと。たとえ両機関共にガイドラインの用意ができたとしても、最終決定に至るまでには長々とした煩雑なプロセスを経ることになるだろう。トランプ政権とEPAの間で巻き起こった今年の騒動や、NHTSAがタカタ製エアバッグインフレーターを搭載したクルマのリコールや自動運転車などへの対応に追われたこと、NHTSAの重要な役職が空席であることが影響しているようだ。Gosswein氏は、NHTSAは春の終わり頃までにはガイドラインの草案をまとめるだろうと『Hemmings』に語っている。順調にいけば、2019年には製造を始められそうだが、法律の問題が片付いても、搭載可能なエンジンの問題がある。現在のところ、EPAとカリフォルニア州大気資源局が承認しているエンジンは、GM製「LS3 E-ROD」6.2リッターV8エンジンだけだ。ガイドラインを待つ間、DMCのEspey氏は「小規模の自動車製造会社に関しては米国よりも長い経験があり、理解もある」という欧州へ調査に渡るという。

By JONATHON RAMSEY
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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