Photo: 三浦一紀

かなりの衝撃。

2017年11月30日に発売された、キヤノンの高級コンデジ「PowerShot G1 X Mark III」。前モデルの「PowerShot G1 X Mark II」は2014年3月発売。およそ3年8ヶ月ぶりのリニューアルとなったPowerShotシリーズのフラッグシップ機です。

キヤノン「PowerShot G1X Mark 掘廛魯鵐坤ン:コンデジ市場のゲームチェンジャー

普通のコンデジではありません。キヤノンから「PowerShot G1X Mark 掘廚発表されました。発売は11月下旬の予定。2014年3月に発...
https://www.gizmodo.jp/2017/10/canon-powershot-g1x-mark3.html

外観などの、性能についてのレビューは上のリンクをご参照ください。この記事では、実写レビューをメインにお届けします。

コンデジの使いやすさ+デジタル一眼の画質=これがいい!

約2週間ほど、いろいろと持ち出しては撮影しておりました。作例はすべてJPEG撮って出しです。

キヤノンらしい鮮やかな色味ですが、コンデジのようなのっぺりした感じは受けません。やはりAPS-CのCMOSだなと感じさせてくれます。

デフォルトの設定では彩度が高めの印象。好みに応じて少し彩度を下げると、落ち着いた雰囲気の写真になるでしょう。

今回の撮影では、ほとんどのシーンでEVFを使っています。僕がファインダー派なので。約236万ドットのEVFは視認性が高く、特に不満な点はありません。タイムラグもあまり気になりませんでした。

ダイナミックレンジはかなり広め。明暗差の激しいシーンでも、かなり粘って暗い部分の階調を保っています。

順光で青空を写すと、かなり濃厚。キヤノンは青空がやや明るめに出るという印象でしたが、いい意味で期待を裏切られました。

うさぎさんかわいいですね。解像度に関しても問題なし。毛並みがばっちり映っています。

APS-CのCMOSは、1インチやそれ以下のサイズのCMOSに比べぼけ味が大きくなります。このカットはバリアングル液晶を使い、手を伸ばして高いところにある風鈴を狙いました。結構無理な体勢でもちゃんと撮れたのは、小型ボディのおかげです。

これがデジタル一眼レフだったら結構たいへん。手ぶれとかにも気をつけないといけませんが、G1 X Mark IIIの手ぶれ補正機能が結構優秀で、あまり気にしなくても大丈夫でした。

マクロ撮影は、オートでは広角端でレンズ先端から10cm。F2.8というレンズの明るさを活かせば、ぼけ味も楽しめます。

望遠端ではレンズ先端から30cm。もう一息寄れるともっと楽しいかなという印象。

デュアルピクセルCMOS AFによる高速AFで、交差点を走り抜ける人力車2台をフレームに収めることができました。我ながらナイスショット。AFが速いということは、シャッターチャンスをものにするという点においてとても重要だと思います。スナップ撮影やポートレートなどで実感します。

望遠端でカモメの列に近づいて撮影。カメラが小さいからか、近づいてもあまり逃げませんでした。

飛び立つカモメを広角端で。ダイナミック! レスポンスがいいカメラなので、こういう瞬間もちゃんと撮影できました。

小型軽量ボディはテーブルフォトでも大活躍。ボディが小さいとこのような写真も積極的に撮りたくなりますね。周囲の目をあまり気にしなくて済みます。

高感度撮影のテスト。ISO 6400で撮影。ややノイズが見受けられます。ISO 3200くらいまでなら積極的に使っていけるでしょう。

気に入ったところ

とにかくこのサイズ感でこの描写。文句ありません。AFも速く、ストレスゼロ。それでいて、APS-CのCMOSによる余裕のある画質。広角から中望遠までをカバーしたズームレンズが使えるのですから、デジタル一眼の出番は激減してしまうのではないかと思います。

APS-CのCMOSに光学3倍ズームレンズを搭載し、豊富な機能を搭載しながらも、本体はコンパクト。重量は約399g。片手で持ったままずっと撮影していても、気になりません。

例えば、デジタル一眼レフのEOS Kiss X9が本体のみで約453g、標準ズームレンズEF-S18-55mm F3.5-5.6 IS IIが約200g。あわせて約653g。ほぼ同じようなスペックになりますが、大きさ重さは比べものになりません。

片手で持っているとき、首から提げているとき。やはりデジタル一眼レフでは大きいし、重いなと感じることがありますが、G1 X Mark IIIならば邪魔にならないんです。

画質に関しても、キヤノンらしい鮮やかで見栄えのよいもの。JPEG撮って出しでも十分使えます。ダイナミックレンジも広く、白飛びや黒つぶれをそれほど気にしなくてもいいでしょう。

コンパクトながらカメラとしての質感もあり、デザインも小さな一眼レフのようで、撮影していて楽しいカメラです。

残念なところ

……。うーん、あまり思いつかない……。

あえて言うならレンズでしょうか。ズームレンジはいいと思いますが、贅沢をいえばF2.8通しか、望遠端があと1段、いや半段明るければ申し分なかったかも。

または、望遠端での最短撮影距離をあと10cm短くするとか。

必要十分なスペックなのですが、何かひとつ特徴的なところがあったら、さらに魅力的でした。

それ以外は、現時点ではあまり不満点はありません。というか、よくぞこのサイズでここまでやったという賞賛の言葉しか出てこない感じです。

こんな人にオススメ

最初は、普段デジタル一眼カメラを使っている方のサブカメラとして適しているカメラではないかと思っていました。

しかし、それは間違っていました。

デジタル一眼に標準ズームレンズを付けて撮影している人すべてにオススメしたい。

Photo: 三浦一紀

サブカメラというよりは、標準ズーム域はこのカメラに置き換えちゃえばいいんですよ! 望遠とか超広角とかマクロとか必要なとき、F1.4とかF1.8といった明るいレンズが必要なとき以外は、このカメラですべてまかなえますから。

特にスナップ撮影にはとんでもない威力を発揮します。キビキビしたAFはシャッターチャンスを捉える確率をかなり上げてくれます。

24-72mmのズームレンズは、単焦点レンズに比べ表現の幅を広げてくれます。そしてAPS-CのCMOSから吐き出される絵は鮮やか、かつ高画質。ぼけだって楽しめる。

コンデジの皮を被ったデジタル一眼。そんな印象です。

PowerShot G1 X Mark IIIのキヤノン オンラインショップの価格は13万7700円(税込)。少々お高いかもしれませんが、買って後悔しないカメラじゃないでしょうか。



Photo: 三浦一紀

(三浦一紀)