元横綱・日馬富士の傷害事件で、沈黙を保っていた貴乃花親方(日本相撲協会理事)が25日(2017年12月)、初めて相撲協会の聴取に応じた。

都内のホテルで行われた聴取には、協会側の危機管理委員会から高野利雄委員長と危機管理部長の鏡山親方が出席、貴乃花親方には代理人の弁護士が同席し、聴取は2時間に及んだという。

貴乃花親方に弁護士が付き添った理由について、番組コメンテーターの菊池幸夫弁護士は「法的な今後の展開とか、弁護士が横にいれば正確な助言を得られるというのが一番の狙いだと思う」とみている。

背後に協会の隠ぺい体質、互いの処分で幕引きを図る?

では貴乃花親方は協会側に何を話したのか?

聴取終了後、両方とも沈黙を保っているため内容は分からないが、貴乃花親方は20日の臨時理事会で自身の主張を文書で提出しており、同様趣旨の主張をし、協会に反論したとみられている。

対立しているのが巡業部長としての責任だ。協会側は貴乃花親方が鳥取県警へ被害届を提出しながら協会への届け出を怠り、貴ノ岩の聴取をなかなか認めなかったことを問題視している。

一方、貴乃花親方は「警察から協会に連絡してほしい」と伝えたとし、巡業部長としても責任は果たしたと主張している。

ただ、貴乃花親方の落ち度をあげつらい処分する資格が協会側にあるのかどうか、協会執行部にも問題はある。

傷害事件が発生して3日後に10月29日(2017年)に貴乃花親方が被害届を県警に提出。11月1日に県警から協会へ事件の連絡が入り、翌2日に八角理事長ら執行部に伝えられた。

しかし11月11日に開かれた臨時理事会には事件についての報告は行われず、理事たちの間で情報が共有されなかった。その理由について協会の報告書には「緊急に対応すべき案件だとは考えていなかった」という。

貴乃花親方の怠慢を問うなら協会側も同じ。理事会出席者の間からは「報告があれば、日馬富士を九州場所に出場させるのかどうかの確認がされていたはずだ」と協会執行部を批判する声が上がっている。

司会の加藤浩次は「もともと協会に隠蔽体質があると思う。一番大事なところが何もクリアされず、それぞれの処分で幕引きというのでは...」と協会が目論む姿勢を批判している。