成長著しい東南アジア。なかでもシンガポールはアジアにおける物流の重要な拠点であり、タイは製造業にとっての重要拠点だ。急激な経済成長と都市化が進むタイは高速鉄道計画を必要としており、タイ高速鉄道をめぐっては日本と中国の両国が激しい受注競争を繰り広げている。(イメージ写真提供:123RF)

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 成長著しい東南アジア。なかでもシンガポールはアジアにおける物流の重要な拠点であり、タイは製造業にとっての重要拠点だ。急激な経済成長と都市化が進むタイは高速鉄道計画を必要としており、タイ高速鉄道をめぐっては日本と中国の両国が激しい受注競争を繰り広げている。

 タイの一部路線ではすでに中国高速鉄道の技術の導入が決まり、工事も始まっている。一方、新幹線の導入が期待される路線では日本側は14日に事業性調査の最終報告書をタイのアーコム運輸相に提出した。

 日本と中国はアジアを中心に高速鉄道の受注競争を展開しているが、今回の報告書の提出により、タイのバンコクーチェンマイ間の高速鉄道計画においては新幹線が採用される見通しがさらに強まったことになる。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、タイがバンコクーチェンマイ間の高速鉄道で新幹線の技術を採用することになれば、タイが中国と共に推し進めている「クラ地峡運河」の建設プロジェクトにも影響を与えるものになると伝えている。

 クラ地峡に運河を建設するという構想は長年にわたって存在したものだが、現在は中国がタイと共同で建設することに強い関心を示している。クラ地峡はタイ南部のマレー半島の最狭部に位置し、幅は約50キロ程度で海抜の最高も75m程だが、記事は「クラ海峡運河が完成すれば、海上物流に大きな影響を与えると同時に日中韓の貿易にも多大な影響を与えるものとなる」と指摘した。

 一方、クラ地峡運河が完成すればマラッカ海峡のシーレーン上および安全保障上の重要性が低下することになるため、米国にとって好ましくない存在であると主張。それゆえタイ高速鉄道とクラ地峡運河をめぐる中国側のリスク要因は「工事の難易度でもなく、タイ政府でもなく、米国の干渉である」とし、米国の同盟国である日本がバンコクーチェンマイ間の高速鉄道計画を正式に受注すれば、中国が受注を目指すクラ地峡運河の建設にも何らかの影響が出てくる可能性は否めないと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)