今回のビジネス女子マナーは、IT関連会社勤務の広川いくみさん(仮名・28歳)からの相談です。

「上司から、デスクが汚いといつも怒られています。年末に向け、12月は片づけと掃除が奨励されていたのですが、仕事は立て込んでいるし、何から手を付けたらいいのかわからないうちに、今年が終わってしまいそうです。

また、どのタイミングで片づければいいのかもわかりません。勤務時間内に引き出しなどを整理していると、お局先輩がすごい目でにらむんです。掃除って勤務時間以外にすべきものなんでしょうか」

今年の仕事納めはいつですか?区切りをつけるためにも、2017年のうちにデスク周りの大掃除をしておきたいですよね。多忙な仕事の合間に、効率よく行なうにはどうしたらいいのでしょうか。

さっそく、鈴木真理子さんに伺ってみましょう。

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大掃除は業務時間内にしないと法令違反になる

クリスマスも過ぎ、いよいよ年の暮れも押し迫ってきた感があります。働く女性のみなさんは、年明け業務の準備と通常業務の中、あわただしく日々を送っているでしょう。

その中での、大掃除や片づけ。大変ですよね。

でも、社員が行なうデスクやオフィスの掃除や片づけは、勤務時間内にするものです。

なぜなら、労働安全衛生規則に次の条項が記載されているからです。

第619条

事業者は、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

第1項

日常行なう清掃のほか、大掃除を、6月以内ごとに1回、定期的に、統一的に行なうこと。

つまり、半年に1回は大掃除を行なわないと、法令違反になるということです。とくに12月は大掃除の時期。上司から職場全員に伝えてもらい、全員で大掃除をする日時を決めましょう。

質問者さんのおっしゃる通り、日常清掃についても業務時間内にすべきです。業務時間外に強制的にさせると、労働基準法に違反することになります。「お局先輩がにらむ」とありますが、もしそれが、「業務時間に片付けなどするな」という意味であれば、彼女は労働基準法の理解不足といえるでしょう。

相談者さんは、「5S」をご存じでしょうか。整理・整頓・清潔・清掃・しつけの5つ。これは、単なる職場の美化活動ではなく、効率よく仕事をし、意識と行動を変えて生産性を向上させるのための取り組みです。

それぞれ、以下の意味があります。

整理 いるものといらないものを区別して、いらないものを捨てる
整頓 取り出しやすく、戻しやすいように置き場所を決める
清掃 身の回りや職場をキレイに掃除すること
清潔 整理・整頓・清掃された状態を維持すること
しつけ 言われなくてもできるようにする。習慣にすること

デスクや職場がスッキリすると、頭の中までクリアになり、仕事がはかどります。余計なものや情報を抱えなくなると、優先順位を正しくつけられ、時間に対するコスト意識が高まるからです。

さらに、心まで整うので、同僚にも優しく接することができます。仕事も人間関係もうまくいき、あなたは今よりもっと信頼されるようになるでしょう。相談者さんににらみをきかせているというお局さまのデスクの上も、実は散らかっているのではないでしょうか。

さておき、簡単にできるデスクの片づけのしかたをご紹介しましょう。

汚デスク片付けの技は!?

まず、机の中の引き出しを1度全部出し、中身を把握します。そして、ゴミや使えないもの、半年以上使っていないものと、絶対に必要なものを仕分けていきます。

そして、絶対に必要なものだけをデスクに残します。「いるかもしれない……」というものは、まとめておき、半年以上使わなかったら処分すると決めましょう。

働く女性が仕事の中で、もっとも片づけられないもの、対処に困るものが書類でしょう。これも仕分けていきます。

会社には、「勝手に捨ててはいけない書類」があります。社史、登記、資産に関するものは、永年保存しなければいけません。

万が一、これらがあなたのデスクになるなら、所定の位置に戻しましょう。

また、一定期間保存しなければいけないものとして、会社の会計に関係するもの、税務に関連するものがあげられます。これら、法令で保存期間が定められている書類は、「法定保存文書」と言いますが、これらも、所定の位置に戻しましょう。

そのほか、業界や社内で保存期間が定められたものがあります。それも確認し、保存場所に片づけます。

日報、議事録、提案書などについては、関係者の中で、保管するもの、保存するものの期間をきめていいものです。たとえば、日報は1年保管、以降、3年は段ボールなどに入れて保存しておく、などです。

提案書や資料など、共有して使う場合があるかもしれない書類については、「収納場所が満杯になったら、その段階で使っていないものを古い順に捨てる」など、ルールを決めるといいでしょう。

鈴木先生提唱、赤札作戦

わたしが提唱しているものに、「赤札作戦」があります。

これは、資料に赤い付箋や、張って剥がせるシールなどを張っておいて、使用したときに使用者が剥がす、という方法です。

ずっと赤札がついたままの書類は、誰にも使われていない、つまり、不要なものだとひと目でわかります。赤札期間を決めておけば、処分の目安になりますね。

また、自分が作業で使っていたものについては、仕事が終わったら捨てる、半年たったら捨てるなど、自分でルールを決めて処分していきましょう。

自分以外の人も持っているもの、インターネットで検索すればすぐに手に入るものの出力などは、処分の対象にしてよいでしょう。

どうしても、処分が不安ということであれば、スキャナーなどを使い、データで残すという方法もあります。

デスクの引き出しに増え続けてしまった文房具たち……。来年こそ、スッキリとしたデスクで働きたい!

参考文献:『月刊総務』2018年1月号 ウィズワークス株式会社



■賢人のまとめ
オフィスの掃除は、業務時間内にすべきことです。法令でも定められています。整理、整頓、正装、清潔、しつけの5Sは、生産性向上にも大いに役立つ取り組みです。ぜひ、デスクまわり、オフィスをスッキリ片づけ、来年からの効率アップに努めてください。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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