チームトップの12得点を挙げた庄子立稀【写真:平野貴也】

写真拡大 (全2枚)

2回戦で強豪・土浦日大に48-96で大敗…露呈した全国レベルでの経験不足

 通常、全国大会を目指すには、都道府県の大会で優勝する必要がある。ただ、2番手でも諦める必要はない。物は考えようだ。ウインターカップ2017全国高校バスケットボール選手権大会は25日に第3日を行い、男子の聖和学園(宮城)は48-96のダブルスコアで土浦日本大学(茨城)に敗れた。

 2年前の大会で決勝に進出した全国区の強豪に挑んだ聖和学園だったが、きっちりと力の差を見せつけられてしまった。ともに県の代表として出場しているが、聖和学園の場合は、少し事情が違う。夏のインターハイで同県勢の明成が準優勝。先に推薦枠の出場権を獲得したため、宮城県の2番手ながら出場権を得た。

 2014年の出場も、明成がインターハイを準優勝しており、実質2位で出場している。土浦日大との試合では、修羅場をくぐり続けている相手に対して、全国レベルでの経験不足を露呈した。

 主将の千葉勇祐は「相手は、体の当たりが強かったし、高さもあった。スピードとディフェンスで苦しめたかったけど、上手くいかなかった。練習を積み重ねるごとに自信は付いてきたけど、実際にやってみると、相手の実力のほうが全然上で、もっとディフェンスやリバウンドの強さを強化しておけば、もう少し戦えたんじゃないかと思いました」と悔しそうに話した。

県王者・明成が全国との“モノサシ” 「明成と良い勝負ができないと通用しない」

 同県に全国トップクラスの明成が存在する環境は、強化を難しくする。有望な中学生は、全国大会での活躍を狙ってチームを選ぶ。県内出身者が他県で全国出場を狙えるチームを選ぶケースもある。その中で、県内の子を必死にスカウトしている。

 ポイントガードの菅野勇太は、中学時代に地区予選で敗退するのが常で県大会に出場したことのない選手だ。身長191センチの大型センター長牛翼は、中学時代に勝利を経験したことがないという。

 それでも、阿部昭宏コーチは「(明成に良い選手が集まる状況下で)県内の選手だけで苦しいんじゃないかと言われることもありますけど、私は選手に合うメニューを組んで鍛えれば全国で勝てると思っています。まだ、私が指導者として未熟で上手くいっていませんけど、来るメンバーに合う練習を考えてチームを作っているので、ここまでは来れています」と意地をのぞかせた。明成がいるから無理、なのではなく、いるから立ち向かっていくのだ。阿部コーチは、同県に横綱クラスのチームがいることを、前向きに捉えている。

「なかなか、全国大会に出られない。たまにチャンスを得ても、選手は全国レベルを肌で感じていないので、チーム作りが難しい。ただ、明成が本当に全国のトップなので、県大会の決勝で対戦して感じることはできる。明成と良い勝負ができないと通用しない。3回目の出場ですが、2011年は明成を破って出場して16強、3年前は明成のおこぼれで出場しましたけど、10点差くらいのゲームはできていて、全国大会で16強に入れました。今回は、明成とだいぶ差があった中での出場だったので、こういう結果。県内で明成と勝負できるかが基準」

 今は、まだ県の2番手――。明成の活躍によって得られるチャンスを生かそうとする立場にある。しかし、その間に全国レベルを少しずつ体感し、県の王者を打ち負かしにいく。明成に勝って全国に出られれば、全国レベルに戸惑うことなく上位を目指せる。強敵が近くにいるからこそ、聖和学園には頂点へのレールが見えている。(平野貴也 / Takaya Hirano)