チーム最多の35得点を挙げた広島皆実・大道【写真:平野貴也】

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ウインターカップ男子2回戦、インハイ8強校が苦しむも“脇役”躍動で初戦突破

 チームを勝たせるのがエースの役目だ。しかし、必ずしもエースだけがチームを勝たせるわけでもない。男子の広島皆実(広島)は、2人の脇役がチームを救った。高校バスケットの祭典、ウインターカップ2017全国高校バスケットボール選手権大会は25日に東京体育館で第3日を行い、インターハイ8強でシードとなった広島皆実は、初戦の難しさに苦みながら、99-83で草津東(滋賀)を破って3回戦に駒を進めた。

 全国大会の初戦は、難しい。独特の雰囲気に緊張感や高揚感が増幅される。一つひとつのプレーが良くも悪くも影響する。選手のパフォーマンスが安定しないのだ。特に難しいのは、シードチーム。優勝を見据えれば1試合少なく勝ち上がれる利点があるが、初戦は1試合を戦って緊張感の取れたチームと戦わなければならない。

 ポイントガードの原未来斗がゲームを作り、エースの小川俊哉がドライブと外角シュートで得点を量産。インサイドは、それぞれU-18、U-16の日本代表を経験している身長190センチ台の深渡瀬海と三谷桂司朗が支配するチームだ。

 しかし、1回戦で初戦を勝っている草津東の出足が鋭く、接触プレーで遅れを取った。主将の原は「試合の入り方は気を使っていましたが、シュート成功率とかだけでなく、相手よりも不利になる部分が多かったです。動きの硬さを感じたわけではないけど、動きのキレは相手の方があると思いました。慣れるのに時間がかかりました」とコートで感じた難しさを明かした。

 接触プレーの多いインサイドでは深渡瀬と三谷が、ともに前半で3ファウルと苦しみ、第2ピリオドの序盤では8点差をつけられた。フルタイムのゲームが県予選の決勝以来だったという点も影響していたようだ。

目標への道つないだ2人の働き、主将も称賛「夏とは違う強さを出してくれた」

 チームを救ったのは、シューターの大道拓将と、控えスタートの山口尚稀だ。藤井貴康コーチは「堅守が持ち味なのですが(相手の方が動けて)全部が後追いになってしまい、ディフェンスやリバウンドで苦しみました。ただ、攻撃では、大道がつないでくれました。速攻も3ポイントも大事なところで決めてくれました」と攻撃陣でチーム最多35得点を挙げた大道の名を挙げた。

 大道は「インサイドが苦しんでいる分、外回りが頑張らないといけないと思いました。ガード陣がうまく合わせてくれたので、気持ちよくシュートが打てました。仲間に助けられました。ガードが良い状況を作ってくれたから。合わせてくれたから取れただけ」とどこまでも控え目だったが、持ち前のシュート力でチームを救った。

 もう一人の立役者は、2年生の山口だ。苦しんだ第2ピリオドに投入され、高い位置から精力的なディフェンスを仕掛けて、試合の流れを引き戻した。

 主将の原は「途中から出て来た山口が頑張ってくれて、夏とは違う強さを出してくれたと思います。山口は、おとなしい奴だけど、秘めたものは人一倍強い。ケガから戻ってきたばかりだけど、影響を感じさせないプレーだった。すごく信頼できる、控えの1番手」と貢献度の高さを強調した。

 初戦からエンジン全快とは行かなかったが、2人の脇役によって目標への道はつながった。翌26日に行われる3回戦は、秋田工(秋田)と対戦。今度は主力が力を見せる番だ。(平野貴也 / Takaya Hirano)