悲願のツアー初Vを遂げた青木瀬令奈 左側の壁が(撮影:佐々木啓)

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今季活躍した注目選手のスイングから強さの要因を探る“Playback LPGATour2017”。第33回は今年の「ヨネックスレディス」でツアー初勝利を挙げた青木瀬令奈。更なる飛躍が期待される24歳のスイングを、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が解説する。
【連続写真】小柄な体にどんな秘密が?スイングスピードを生み出すスイング
今季、悲願のツアー初優勝を飾った青木さんです。決断力のあるプレースタイルが持ち味で、いつもテキパキとしたリズムでプレーを進めていく印象があります。
そんな青木さんのスイングですが、バックスイングでは両手が肩の高さに上がった段階で背中のロゴが見え始め、トップでは背中のロゴがほぼ見えています。クラブヘッドを常に胸の前にキープしながらバックスイングを行い、最後にグッと上体の捻転を深くするイメージです。実際にスイングを見たときには、手でクラブを上げているように感じましたが、こうして写真を見ると、手上げの要素が寸分も見えません。青木さんは身長153センチと比較的小柄ですが、ツアーでも戦える飛距離を稼ぐために、大きくて高いトップを作っているのでしょう。十分な上体の捻転と大きなトップは、彼女にとって必要不可欠なポイントだと思います。
また、ダウンスイングからインパクトまでを見ると、踏み込んだ左足でしっかりと地面にストッパーをかけています。このおかげで、頭が目標と反対方向に跳ね上げられています。その反動でクラブヘッドが前に出て、ヘッドスピードを上げる要因となっていますが、この瞬間をつくるには、左サイドの受けが必要です。青木さんは左ヒザが割れず、左サイドの壁をしっかりとつくってブレーキをきかせることで、頭とクラブヘッドが引き合う形をつくっています。
左サイドが崩れないのは、アドレスしたときの左足ツマ先に理由があります。この時点では左足ツマ先は外側を向き、同じく外側を向いた右足ツマ先とともにハの字をつくっています。ところが、ダウンスイングの切り返しでは、左足のツマ先は正面を指しています。つまり、左足をステップして踏み込んでいくときに、左足カカトを目標方向にずらしているのです。本人は意識していないと思いますが、クローズステップを踏むことによって、左足の壁をつくっているわけです。さらに、インサイドからクラブを下ろすことで、頭とクラブヘッドの引き合いを生んでいます。
アッパーブローでボールをとらえていますが、高さを出したい気持ちと、全身を使って頭とクラブヘッドの位置関係を入れ替えているからでしょう。フィニッシュでようやく体重を左足に乗せていますが、一般的に多い体重移動を行ってからクラブを振るタイプではなく、振り切ったあとに体重を左足に移動するタイプだといえます。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、藤崎莉歩、小祝さくらなどを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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