年が明ければいよいよ本格化する就活。冬休みという「天王山」の過ごし方を解説します(画像:msv / PIXTA)

年末・年始は企業のリクルート活動もいったん休止し、就活生もほっと一息つけるタイミングだ。
しかし、リクルートで1000社を超える企業への採用活動支援、1部上場企業の採用責任者、1000人を超える学生への就活支援をした実績を基に『新卒採用基準――面接官はここを見ている』を上梓した廣瀬泰幸氏は、「年末年始こそ『就活の天王山』です」と語る。どういうことか、就活生の「あるべき年末年始の過ごし方」を解説してもらった。

年末年始は再スタートを切るための大切な時期

実質的に2019卒の就活がスタートしてから早、半年がすぎようとしています。

この時期の学生は、大きく3分類されています。夏や秋のインターンシップに参加し、すでにある程度の手ごたえを感じている人。逆に思ったようにいかなかった人。部活やバイトに専念するあまり、インターンそのものにほとんど参加しなかった人です。

就活の終わり、すなわち多くの学生が自分のファースト・キャリアを最終的に決定するタイミングまで、あと半年です。残りの半年間に悔いのない就活を行うためには、いったん立ち止まってこれまでの振り返りを行い、新しい決意を固め、計画を立案することが欠かせません。まとまった時間のとれる年末年始は、その絶好の機会です。

大学受験では、そのおよそ半年前の「夏休み」が天王山と言われます。その意味では、就活では「冬休み」こそが天王山だと言えるのです。

そこで本コラムでは、「年末年始にすべき4つのこと」についてお伝えします。

まずすべきなのは、これまでの就活を冷静に振り返り、今後の計画を策定することです。

これまでを振り返り、今後の計画を立てよう

■やるべきこと1:半年間の就活の総括を行う

私が日々接している学生の中には、これまでの半年間ですでに7〜8社のインターンシップに参加した人も多くいます。ただ、選考に落ちたために数社のインターンシップにしか参加できなかったり、さまざまな理由からインターンシップにはまったく参加しなかったという学生もいます。

いずれにしても、今年の就活は、すでにスタートして半年が経過しました。そのため、年末年始には、これまでの自分の就活を振り返り、自分の状況を周りの学生と比較して、冷静に分析することが大切です。

なぜなら、就活は企業の採用予定人数という有限の枠を獲得しあう競争だからです。

そのため、半年間の自分の就活を振り返り、計画(Plan)と行動(Do)のギャップをチェックし、人事から評価された点や評価されなかった点を振り返り(Check)、対策を立案する(Action)ことは極めて重要です。

本来、PDCAは、1つのアクションごとや、1週間、1カ月ごとに回すことが大切ですが、そうした習慣が身についていない学生も多いと思います。せめてこの年末に、半年間の行動をCheckしてください。それを怠ると同じ過ちを繰り返すことになり、自分の成長に繋げられないからです。

■やるべきこと2:今後半年間の計画を立案する

半年間の総括をもとに、これから半年間のPlan(計画)を立案することも大切です。

経団連は、採用選考に関する指針として、広報活動=3月1日以降、選考活動=6月1日以降と定めています。そのため、リクナビ・マイナビなどでいっせいに会社説明会の広報活動が開始されるのは3月1日であり、面談・面接などの選考活動が本格化するのは、おおむね5月連休明けになります。

しかし、インターンシップなどを通じて水面下で企業が広報や選考活動を行っていることも周知の事実です。インターンシップは1〜2月にも行われますので、計画は「1〜2月」「3〜4月」「5〜6月」にわけて立案することが求められます。

1人の学生が応募・選考活動に臨める企業数には、物理的に限りがあります。私のこれまでの経験では、もちろん個人の価値観や置かれている状況によって変わるものの、おおむね文系では30社、理系ではその半分程度が望ましいと考えています。

この数をどう割り振るか。インターンシップに参加するのか、リクナビ・マイナビでの広報開始まで待つのか。そういった計画を、この年末年始に立ててみてください。

■やるべきこと3:キャリア選択の3つの輪を考える

就活では、「自分自身のファースト・キャリアを選択する」という考え方に立脚することが大切です。それは、自らのキャリアをデザインすることから始まります。

しかし、日々の就活に追われていると、こういった「原理原則」にはなかなか目がいかず、目先のことに集中してしまいがちです。時間のある年末年始に、じっくりと考えてみてください。

キャリアデザインの方法として、私は「やりたいこと」「やれること」「やるべきこと」の3つの輪で考えることをおすすめしています。大切なのは、それらの輪の「重なる部分」を大きくすることです。年末年始の時間を利用して、あなたにとっての3つの輪を具体的に考えてみましょう。

「やりたいこと」は、「やりたい仕事」と同義です。大きな意味では、同一業界であれば仕事内容はどの企業でも似たようなものです。そのため、年末年始には、志望業界を3〜5業種程度までに絞り込むことをおすすめします。

「やれること」は、「仕事をする力」のことです。これまでの学生生活を振り返り、自分の長所や短所を分析したり、経済産業省が有識者のワーキンググループでの検討を踏まえて作成した「社会人基礎力の3つの能力と12の能力要素」に照らし合わせて、自らの「仕事をする力」の高低を分析してみましょう。

「やるべきこと」は、入社したい企業の難易度と自分の実力の乖離を埋めるための活動です。応募企業の入社試験に合格するために、就活で問われる「就活スキル面」での自分の課題を発見し、課題解決のテーマと具体的な計画を立案することです。具体的には、各種テスト、ES、GD、各種面接における自分の課題を認識し、改善テーマと計画を立案しましょう。

必要な道具をいまのうちにそろえる

■やるべきこと4:就活に必要な道具をそろえる

年末年始は、ご家庭ではさまざまな出費がかさむものですが、就活生にとっては思わぬ臨時収入が入る可能性のある時期です。そこで、この時期に就活上で必要な、以下の3つのツールを準備することをおすすめします。

パソコン

2年ほど前の学生にとって、パソコンは就活生の必需品でした。しかし、今の学生に聞いてみると、パソコンは大学にあるものを使い、自分ではパソコンを所有していない学生が増加している印象です。

しかし就活にES提出は不可欠ですし、自宅でWebテストを受験することも少なくありません。まだパソコンを所有していない方は、年末年始に購入することをおすすめします。

新聞

就活はさまざまな社会人と直接、フェイス・トゥ・フェイスで接触します。その際、社会や経済界で起きていることについて話す機会は少なくありません。そのため、まだ新聞をとっていない学生は、年末年始からでも購読開始することをおすすめします。もちろん、電子版でも問題ありません。

アナログのスケジュール帳

スケジュール管理はスマホのダイアリー機能でもできます。そのため、アナログのスケジュール帳をもっていない学生も、一定数います。

しかし、スマホのダイアリー機能は、電話しながらのスケジュール調整には不向きですし、過去との連続性の中で数週間後の計画を考える上では、一覧性に問題があります。その点で優れているアナログの手帳を、ぜひ準備してください。


本コラムでは、就活生に向けて年末年始の有効な過ごし方についてお伝えしました。ただし、一括りに就活生と言っても、個々の学生やご家庭の状況によって置かれた環境はさまざまです。

とくに、この時期に大会が行われる運動部に所属している学生や、流通・サービス業でのアルバイトに勤しむ学生にとっては、ここで紹介した年末年始の過ごし方は必ずしも参考にならないかもしれません。

ですが、お伝えした年末年始の過ごし方は、どのような環境に置かれている学生にとっても時期をずらすことによって参考になる内容だと思います。

これまでの就活を振り返り、これからの計画を立てる。キャリアの視点から自分を見つめ直し、必要な装備をそろえる。

可能なタイミングで結構ですので、ぜひ、参考にしてみてください。