【ビデオ】アイルトン・セナがインディカーをテストした時のことを振り返る映像が公開
さて、マクラーレン・ホンダのF1チャンピオンがインディカーに乗り込んだ話について耳にしたことはあるだろうか? いや、筆者が言いたいのはフェルナンド・アロンソのことではない。確かに、アロンソもそうだが、彼だけではないのだ。今から25年前、1992年のシーズンオフに、アイルトン・セナもそれと同様のことをしている。その当時の様子を語るドキュメンタリー映像が公開されたので、是非ご覧いただきたい。

今年、アロンソがインディ500に参戦したのとは異なり、セナはアリゾナのテストコースでインディカーのテストドライブをしただけだったが、そのテストに居合わせた人々には、強く印象に残る時間となった。セナがテストに参加したペンスキー・レーシング・チームには当時、エマーソン・フィッティパルディ、ポール・トレイシーがレギュラー・ドライバーとして在籍していたが、もしセナがそのままチームに加わったら、その時代の一流ドライバーと互角に戦い、あるいは凌ぐまで、長い時間は掛からなかったに違いない。トレイシーはドキュメンタリーのインタビューで、いかにセナの運転スタイルが他と違っていたかを語っている。トレイシーは自分の運転技術を向上させるために注目していたという。

ドキュメンタリーでは様々な人物が登場し、セナがインディカーの運転を本当に楽しんでいた様子を伝えている。後にインディカー・シリーズへフル参戦を果たしたトニー・カナーンは、セナがこの時、どんなに楽しかったかを語ってくれたことで、自身の目指すべき道が決まったとインタビューで述べている。

とはいえ、このテストドライブは単にセナのインディに対する好奇心から行われたわけではまったくなく、この年(1992年)限りでホンダ・エンジンを失い、ライバルのウィリアムズに苦戦を続けるマクラーレンとの契約や、F1を見据えた戦略だったことは明らかだ。ドキュメンタリーでは、それが成果につながったと述べている。

もしセナのファンなら、あるいは一般的なモータースポーツ・ファンにとっても、この26分のドキュメンタリーは一見の価値がある。F1界の偉大なドライバーの1人にまつわる、見落とされがちな、しかし興味深いサイドストーリーを垣間見ることができるからだ。



By JOEL STOCKSDALE

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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