ロックバンドのLUNA SEAが23日と24日に、さいたまスーパーアリーナでワンマンライブ『LUNA SEA The Holy Night 2017』をおこなった。世界初となる水素燃料を使用したライブで、クリアで高密度なエネルギーに満ちた音質でクリスマスの夜を彩った。ライブは2日間セットリストを変え展開。「I for You」や「ROSIER」など代表曲はもちろんのこと、20日にリリースされた前作『A WILL』から4年振りとなるフルアルバム『LUV』からも披露。さらに終演後には2018年6月23日、24日に再び『LUNATIC FEST. 2018』の開催を発表。12月24日のもようを以下にレポートする。【取材=村上順一】

これからも熱を発信していきたい

ライブのもよう

 毎年恒例となったルナティッククリスマス。この日は一夜限りの復活となった『GOD BLESS YOU 〜One Night Dejavu〜』からちょうど10年というメモリアルな日。会場には多くのオーディエンスで溢れていた。ステージセットにステンドグラスが投影、BGMにはLed Zeppelinの「Trampled Under Foot」、「Kashmir」などが流れ、これから始まるショーへの期待感が高まっていく。

 開演定刻になると会場は暗転、美しい女性ヴォーカルのコーラスが包み込むなかメンバーがステージに登場。息を飲むなか20日にリリースされたニューアルバムから「Hold You Down」でライブの幕は開けた。一筋の光を感じさせるRYUICHI(Vo)の歌声とバンドサウンドは、希望を感じさせるポジティブなエネルギーに満ちていた。続いての「TONIGHT」では、この5人にしか出せない圧倒的なパワーで高揚感を煽る。オーディエンスの振り上げる拳の勢いがそれを物語っていた。

 マグマのように熱いサウンド、そして、独特なLUNA SEAの世界観を見せつけた「HURT」では、血液が逆流するかのような圧巻の演奏。RYUICHIは「これからも熱を発信していきたい」と語り、新たなスタートを感じさせる新曲「Brand New Days」を届ける。今までのLUNA SEAとは一味違うロックチューンで扇情させ、体を弾ませ躍動感に満ちたメジャー感溢れる「誓い文」、今のLUNA SEAのテーマとも言えるナンバー「The LUV」と、最新のLUNA SEAを提示していく。この楽曲たちが来年開催されるツアーでどのように深化していくのか、期待が高まる熱い演奏であった。

 RYUICHIは「みんなもファンじゃなくて、メンバーだと思って一緒にこの世界を作ってください」と投げかけ、「The End of the Dream」で衝動を叩きつける。続いて、RYUICHIとINORAN(Gt)とアコースティックギター、SUGIZO(Gt)がヴァイオリンに楽器を変え、「I'll Stay With You」でシーンを変える。しっとりと言葉が降り注いでくるような空間。そして、SUGIZOのディレイを掛けたギターが響き渡り「MOON」へ。天井で輝くミラーボールが月のような存在感を放ち、神秘的な世界観で紡いでいく。

 ここで、真矢(Dr)によるドラムソロへ。バックで流れるスピリチュアルで神秘的なサウンドと対話するかのようにドラムを叩いていく。それは熟練した職人のような貫禄溢れる演奏。オーディエンスもその音を浴びるように佇む。そして、恒例の“真矢コール”で一体感を作り出し、続いてはJ(Ba)が登場。ドライブした骨太なベースサウンドは、オーディエンスの闘争本能を掻き立てる。

 再び、RYUICHI、SUGIZO、INORANが合流し、「BLUE TRANSPARENCY」で後半戦へ突入。真矢とJのソロコーナーの熱をブーストするかのように、SUGIZOとINORAN絡み合うツインギターアンサンブルで会場のテンションを高めていく。そして、壮大なスケール感「I for You」へ。美しく儚いメロディーに、ダーティなギターサウンドとの対比で聴かせ、「IN MY DREAM」へと紡いだ。

常にギリギリを超えていきたい

RYUICHI

 ラストスパートはまさに<誰にも止められない♪>と歌詞にもあるように、それを体現するかのような勢いあふれる演奏で聴かせた「DESIRE」から、盛り上がり必至のインディーズ時代のナンバー「TIME IS DEAD」へ。SUGIZOのソリッドなカッティングギターに合わせ頭を揺らすオーディエンス。ステージ中央に5人が集結した瞬間は唯一無二の存在感を放つ。本編ラストは「お前たちの本気を見せてくれ!」と代表曲「ROSIER」へ。畳み掛ける怒涛のビートとサウンド、エナジー漲るRYUICHIの歌声が全てを浄化し、ステージを後にした。

 オーディエンスによるスマホのライトが眩い光を放つ。幻想的な空間が会場に広がる。「きよしこの夜」をシンガロングしメンバーの登場を待つ。その歌声に導かれるようにメンバーが再びステージに。RYUICHIはこの光景に「星の海に浮かんでいるみたい...」と形容。そして、「オレたちからのクリスマスソングを...」と「Christmas Song」から、昨年リリースした「HOLY KNIGHT」をプレゼント。

 ここでメンバー紹介を挟み、メンバーが一人ずつコメント。Jは「久しぶりのツアー、メンバーみんな気合が入っているので盛り上がりたい」と来年開催されるツアー『LUNA SEA LIVE TOUR 2018 The LUV -World left behind-』を楽しみにしている様子。INORANは自ら喋ろうとはせず、RYUICHIに耳打ち。RYUICHIが代わりに「(みんなを)愛してる」と伝えると、この耳打ちに「懐かしい光景だったね」と昔を思い出す。

 SUGIZOは水素燃料電池について「とてもリアルで生々しい音がみんなに届いていると思います。これが特別なことではなくて、未来のために当たり前になるようにと心から思っているし、良い音で気持ちいいことをやりたいということをアピールしていきたい」と、未来への展望を語る。そして、ニューアルバム『LUV』について「常に新しい未来のLUNA SEAを目標にして光を求めて活動しています。過去と違うのは当たり前で、新しいLUNA SEAとして突っ走ります」と決意を語った。

 RYUICHIは「ツアーは常にギリギリを超えていこうと5人は頑張っていくので、それを見て勇気や熱を感じてもらえたら嬉しい。僕は来年、会場ごとに忘れ物をして、またそれを取りに戻ってくる、また会いに来るようなツアーになったら...」とツアーへの思いを語った。トリの真矢はツアーについて「僕は各所にマーキングしていって、それを掃除しにまた戻ってきます」とRYUICHIに絡め、ユーモアたっぷりのコメントで笑いを誘った。

 それぞれの来年への想いをたっぷりと語り、「お前ら全員でかかってこい!」と、定番曲「WISH」で大団円を迎えた。「MOTHER」のピアノによるメロディーが流れるなか、オーディエンスに感謝を伝えるメンバー。メンバー4人がステージを去った後、名残を惜しむように客席を見つめるSUGIZOの姿が印象的であった。そして、無人のステージに登場したスクリーンには2018年6月23日、24日に再び『LUNATIC FEST. 2018』の開催を発表し、会場は歓声に包まれるなか幕は閉じた。

真矢
J
INORAN
SUGIZO
RYUICHI
ライブのもよう
LUNA SEA

セットリスト

12月24日 さいたまスーパーアリーナ 

01.Hold You Down
02.TONIGHT
03.JESUS
04.HURT
05.Brand New Days
06.誓い文
07.The LUV
08.The End of the Dream
09.I'll Stay With You
10.MOON
11.Dr. solo 〜 Bass solo
12.BLUE TRANSPARENCY
13.I for You
14.IN MY DREAM
15.DESIRE
16.TIME IS DEAD
17.ROSIER

ENCORE

EN1.Christmas Song〜HOLY KNIGHT
EN2.Dejavu
EN3.WISH