インスタグラムは12月12日(米国時間)、ユーザーのフィード内コンテンツに変更を加えるふたつの機能を追加した。ひとつは、ハッシュタグをフォローしハッシュタグに焦点を絞った投稿を表示させる機能で、もうひとつは友だちが気に入った投稿を表示する「レコメンデッド・フォー・ユー(Recommended for you)」だ。

同プラットフォーム上でのオーガニック検索に関していうと、どちらの変更にも、ブランドやパブリッシャー、インフルエンサーにとって、好ましいと好ましくないもの、両方の影響がある。その中身を見てみよう。

散らかり放題に



どちらの変更も、インスタグラムのフィードを一層ゴチャゴチャにして、その結果、オーガニックなコンテンツにたどり着こうと思ったら、ユーザーはコンテンツ内を延々とスクロールしなければならなくなるだろう。インスタグラムは2016年、時系列アルゴリズムから特定のユーザー、一人ひとりを対象に投稿を仕立てるアルゴリズムに変更したが、それ以来、各ブランドは自らの投稿を見てもらうためにお金を払わなければならなくなった。インスタグラムは、ユーザーのフィード内で有料広告が表示される場所に新機能の追加が影響することはないと言っているので、インスタグラムの活況を呈する有料広告戦略の後ろ盾がない投稿は、埋没してしまう可能性がある。

ハッシュタグに関連した新規投稿は同じアルゴリズムに従うことになるだろう。ユーザーが、たとえば「#photography」のような特定のハッシュタグをフォローしている場合、投稿の新しさや質をベースにユーザーのフィードにどの投稿を表示するかをインスタグラムが決める。インスタグラムの広報担当者は、ユーザーのフィード内に表示されるハッシュタグ関連の投稿の数に制限はない、と話している。

一方、レコメンデッド・フォー・ユーでは、表示される投稿数は3〜5個で、ユーザーが新規投稿をすべて見終わった後で表示される仕組みになっている。その結果、頻繁にアプリを開いたり閉じたりするユーザーは、そうしない人に比べて、レコメンデッド・フォー・ユーを目にする回数が増えるだろう。

より見つかりやすく



どちらのアップデートも、オーガニックな投稿はフィードの底に落ちてしまうとしても、プラットフォーム上での発見可能性を向上させるだろう。レコメンデッド・フォー・ユー機能を例にとって見てみよう。

シーノウズ・メディア(SheKnows Media)のプレジデント兼最高売上責任者(CRO)であるサマンサ・スキー氏は、「インスタグラムがFacebookに追随するのであれば、我々はスポンサー付き投稿をたくさん見ることになるだろう。それが信頼できるリファラルを捉えるにつれて、強力な広告用ツールになるかもしれない」と話す。インスタグラムは、レコメンデッド・フォー・ユーのなかにスポンサー付き投稿を置く予定は当面ないとしている。

ハッシュタグをフォローする新機能があれば、マーケターはトレンドになっている会話を活用できる。たとえばターゲット(Target)は12月15日、投稿内で「#StarWars」を使い、映画『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』の公開に触れたほかの投稿の横にそれが表示されるようにした。ユーザーが#StarWarsをフォローしていれば、彼らのフィード内でターゲットの投稿を見たかもしれない。

デジタルエージェンシー、レイン(Rain)でシニアデジタル担当ストラテジストを務めるマット・ラング氏はこう語る。「長いあいだ、特定のハッシュタグに関連したコンテンツと並んで表示される権利を持っていたブランドは、アルゴリズムのせいで埋もれてしまっていた。だが、これからは表に出るチャンスを手に入れるだろう」。

インフルエンサープラットフォームであるブログラビン(Bloglovin’)のビジネスおよび開発戦略担当バイスプレジデント、カミウ・リー氏は、ユーザーにハッシュタグをフォローさせることで、インフルエンサーを後押しすることにもなる、と言う。

ハッシュタグは、オーディエンスがフォローしたくなるようなブランドやハッシュタグに関連したコミュニティーをパブリッシャーが作ることを奨励するだろう、と旅行系パブリッシャーのカルチャー・トリップ(Culture Trip)でインスタグラム担当マネージャーを務めるエイミー・ラミレズ氏は語った。

ハッシュタグの濫用



マーケターはそうするためにたくさんのフォロワーや多くのソーシャルメディア予算を必要としないので、インスタグラムの「ストーリー(Stories)」だけでなく投稿にもトレンドになっているハッシュタグをより多く追加するようになりそうだ。だが、それがハッシュタグの濫用につながる可能性はある。

「我々にとっての本当の課題は、実際に関連性があり、会話に価値を追加するハッシュタグがどれかを決めることだ」とワンダーマン(Wunderman)のグループ戦略担当ディレクター、アマンダ・ピーターズ氏は言う。

スペース150(Space150)でソーシャルメディアエンゲージメントのスーパーバイザーを務めるアリー・アレンズ氏は、ブランドやインフルエンサーは、SEO戦略でしているのと同じように、オーガニックなインスタグラムコンテンツについての戦略を考えはじめなければならないだろうと語る。「画像やコピー、特にハッシュタグの使用は、オーガニック検索で最大の効果を発揮するための特定の戦略的目的に役立つはずだ」。

だが、ブランドやインフルエンサーのハッシュタグ付き投稿がユーザーのフィードに表示されるという保証はない。ラング氏は、フォローされている特定のハッシュタグを対象にどの投稿を優先するかを決める別のアルゴリズムの実行をインスタグラムが決めたとしても、広告業者は驚かないほうがいい、と述べる。

いずれにしても、広告業者は、ユーザーが最終的にどのハッシュタグをフォローするかを見るのを楽しみにしている。エージェンシーであるドイチュ(Deutsch)のデジタル戦略担当エグゼクティブバイスプレジデント兼ディレクターを務めるスコット・リンデンバウム氏は、個人の関心についてのこの種のデータは、広告により強い関連性を持たせるのに役立つだろうと指摘した。

Ilyse Liffreing(原文 / 訳:ガリレオ)