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富士通と米マイクロソフトは12月22日、AI(人工知能)分野で協業することで合意したと発表した。今回の合意に基づき、両社はまず、働く人を中心にした働き方改革の領域での協業を推進するという。

両社は、2002年に企業向けソリューション分野でグローバルアライアンスを締結して以来、クラウド分野や製造業向けIoT分野など、市場の動向に合わせて協業領域を拡大してきた。今回、急速に進化するデジタル技術を活用した生産性向上に向けた動きがグローバル規模で活発化している中、両社はこれまでの協業の枠組みをAI分野にも拡大し、まずは両社が持つAI技術やサービスを活用した働き方改革を実現するソリューションを共同で開発し、提供することで合意した。

具体的には「Microsoft 365」の文書、メールなどのビッグデータを「Microsoft Graph」を通じて集計し、企業内に蓄積されているビッグデータと、富士通のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」、クラウドプラットフォームサービス「Microsoft Azure」上で提供されるAIプラットフォームサービスやMicrosoft 365などを組み合わせ、働く人を中心とした働き方改革を実現する新たなソリューションを共同開発する。

また、共同開発したソリューションは両社内の複数国で実証を行い、ソリューションの品質強化や導入に向けた知見、ノウハウの蓄積を行った上で、日本市場を皮切りに2018年第2四半期(4-6月期)から富士通のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」、およびAzure上から提供を開始し、その後は順次グローバルに展開していく予定だという。

共同開発するソリューションによる顧客価値として「クリエイティブワークに集中し、高い付加価値を産み出す」「AI活用により定型作業を自動化、省力化」「組織の壁を越えて、最適な人材、知見、ネットワークを発掘」「人、組織、会社ごとの業務の生産性やモチベーションの要因を解明」の4点を挙げている。

クリエイティブワークに集中し、高い付加価値を産み出すことについては、Microsoft 365を利用することで蓄積されたビッグデータをMicrosoft Graphを通じて集計することで、これまで見えなかったメールやカレンダーの利用状況をマイクロソフトの「MyAnalytics」や「Workplace Analytics」などが可視化し、Zinraiがメールの内容に含まれる業務の重要性や緊急性を読み取り、重要なタスクは利用者に対応を促す。これにより、利用者は、優先度の高いタスクからスピーディーに対応し、限られた時間の中でアイデア創出などのクリエイティブワークにも注力できるようになるため、今までより高い付加価値を生み出すことができるという。

AI活用により定型作業を自動化、省力化に関しては、マイクロソフトのAIプラットフォームサービス「Microsoft Cognitive Services」や「Microsoft Azure Bot Service」などを使い、富士通の対話型AIや自然文解析技術と組み合わせることで業務の自動化や省力化を実現し、より人中心なユーザエクスペリエンスを提供するとしている。例えば、会議調整は、AIとの対話形式により、参加者に共通する空き時間の検索や、参加者の都合を考慮した日時や会議形式、場所などの候補がリストアップが可能になるという。

組織の壁を越えて、最適な人材、知見、ネットワークを発掘することについては、組織内の優秀な人材や有益な文書を見つけるには、人やモノのつながりを活用することが有効的と考えられるため、人やモノのつながりをグラフ構造で表現した知識ベースであるナレッジグラフを活用。さらに、人やモノのつながりの特徴をZinraiで解析し、これをナレッジグラフに加えることで、検索したい人やモノとの関連性の強さに基づく高度な情報検索を実現する。これにより、優秀な人材や有益な文書を発掘でき、プロジェクト立ち上げ時の最適なメンバーの選定など有効な情報活用を可能としていく。

人、組織、会社ごとの業務の生産性やモチベーションの要因解明では、MyAnalyticsやWorkplace Analyticsなどを活用すると、個人の働き方、チームとしての働き方の可視化ができる。加えて、ナレッジグラフや、富士通研究所が開発したグラフ構造のデータの高精度な解析を可能とする機械学習技術「Deep Tensor」を組み合わせてベンチマークすることで、生産性やモチベーションの高い人、組織、会社がどのような働き方をしているのか、また何がその重要な原因となっているのかを解明することを可能としている。

今後、共同開発するソリューションの導入コンサルティングサービスに加え、富士通デジタル・トランスフォーメーション・センターやマイクロソフトテクノロジーセンターにおける体験コースを検討していく方針だ。両社は、Office 365とMicrosoft 365の利用者を中心に新規顧客開拓も共同で実施し、2020年までにグローバル市場で新たに2000億円規模のビジネスを開拓することを目指す。