北陸学院のエース、大倉颯太【写真:平野貴也】

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1回戦初戦突破…前回大会3位の躍進後、大怪我乗り越えたエースが24得点の活躍

 日本一を目指す100チームが一つの体育館に集う大会、ウインターカップという舞台がこの男にはよく似合う。ウインターカップ2017第70回全国高校バスケットボール選手権大会は24日に東京体育館で第2日を行い、男子で前回3位の北陸学院(石川)は90-54で佐賀東(佐賀)を破って2回戦へ駒を進めた。

 全員がプレータイムをシェアしながら試合を進め、エースの大倉颯太も半分ほどの20分弱しかプレーしなかったが、それでも24得点を挙げてチームをけん引した。身長184センチと一定のサイズがあり、個人技、パスセンス、シュート力といずれも高い能力を備える。紛れもなく、この大会の主役候補だ。

 今季は、ケガに苦しんだが、大舞台に戻ってきた。前回大会の活躍後、1月に左足首外側じん帯断裂などの大ケガを負って戦線離脱を余儀なくされた。ボールを使ったプレーができない間に、身体を鍛えようと筋肉肥大化系の筋力トレーニングに臨み、フリーウェートで体重を73キロから79キロまで増やしたが、反動で復帰後はヘルニアを発症。今度は、瞬発力を鍛えるメニューに切り替えたという。

 チームトレーナーの嶋谷崇司さんに教えてもらっているというが、9月に県予選を優勝した際、負傷から復帰してきた過程を聞くと、大倉の口からは「プライオメトリクス」や「ファンクショナルトレーニング」といった言葉がスラスラと出てきた。プレー以外にも向上心の強さが見られる選手だ。学生の場合、トレーナーから言われてやっているが、どういう理屈かは分からないといったケースも少なくないが、大倉はフィジカルコンディションの調整法に関心が強く、何でも自分で説明ができる。

関東の強豪大に進学、将来はプロと日の丸入りが目標

「ウェートトレーニングをしてしまうと、体が大きくなる分、可動域がなくなるし、プレーの伸びが少なくなる。今は、ガツンと当たった後にもう1回ガツンと当たったり、跳んで着地してすぐに走るなど反射(速度)系のトレーニングに切り替えました。普段から親交のあるプロ選手に話を聞いたり、自分で調べたりもしています。プロの人は、食事に対する意識も違う。試合1週間前から食事を計算していくのですが、それもレクチャーしてもらっています。カナダのブロック大に行ったときも、聞いた話は嶋谷さんから聞いて知っているものでした」(大倉)

 まだ世代別の日本代表には呼ばれていないが、描いている将来には、プロの世界と日の丸がある。関東の強豪大に進学予定で、2019年にナポリで行われるユニバーシアードを目指す気でいる。

 もちろん、その前に高校生活最後の大会となるウインターカップで大暴れするつもりだ。「今日、自分にターンオーバーが1本あった。それは、許せない。ビデオでプレーを見直したい」と隙のない意識で臨んでいる。

 翌25日に行われる2回戦の相手は、同時刻に1回戦を勝った九州学院(熊本)に決まった。北陸学院が前回大会に続いて躍進するかどうかは、エース大倉の双肩にかかっている。(平野貴也 / Takaya Hirano)