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 日本交通と大和自動車交通は18年1月22日から3月11日まで、国土交通省と共同で「相乗り」の実証実験を、1000台規模で始めることになった。背景にはタクシー利用者の減少傾向がある。利用しやすい仕組みを安価に提供し、今までの客層にこだわらない新しい客層の開拓を狙う。海外で好調な、自家用車を使って乗客を有料で運ぶライドシェア(相乗り)への対抗策だ。タクシー業界は利用者離れに歯止めをかけるため、米ウーバーなどのアプリの仕組みを参考にする。

 海外では、米ウーバーや中国の滴滴出行、シンガポールを拠点とするGrab社など、配車サービスを事業にしている企業が急速に規模を拡大中だ。国交省は認可事業者以外による“白タク”行為が原則禁止されている日本には、安全面や利用者保護の観点から、タクシー事業者による相乗りサービスが適するとの考えをまとめた。

 日本交通と大和自動車交通を含む4グループ、44社が国土交通省と共同で「運賃を乗車前に決める仕組み」の実証実験を8月から10月まで実施し、約8000回の利用があった。この時のデータも参考にして、専用の配車アプリで予約した段階で料金が確定する仕組みを構築。大和自動車は649台を提供して「同じ乗車地から複数の乗客を同一方向に向かう」客を対象とし、日本交通は300台を提供して「異なる地点から乗る乗客」を対象とする。

■利用方法は

 利用者が配車アプリ上で乗降車地を入力すると、予想運賃とタクシーの到着予定時間が表示される。利用者が料金と、スーツケースの有無や有料道路の利用可否などいくつかの条件を指定し、申し込みを行う。乗車した地点や方向によって異なるが、最大で通常よりも4割安い価格で乗れる。

 次に入力した乗降車地の情報を元に相乗り同乗者を検索する。同乗予定者が見つかると、確定運賃と迎車時間が表示されるので、5分以内に「同意する」ボタンをタップする。同乗者が見つからない場合は、注文条件を変えたり、時間を置いて申し込む必要がある。

 双方が相乗りに同意すると、表示された車両番号のタクシーが順番に迎車する。乗車予定のタクシーの現在地は、アプリでリアルタイムに確認できる。

■主な留意点

 性別や年齢を相乗り条件に指定することはできない。同乗者同士のプライバシー保護のため、先に乗車する人は後部座席、後から乗車する人は助手席に乗車する。同乗者に伝わる情報は、登録した「ニックネーム」「プロフィール写真」のみで、乗車場所や降車場所は同乗者に伝わらない。自宅の場所を知られたくない場合は、自宅から多少離れた場所を降車地に指定した方が良いだろう。

 同乗者が見つかって「同意する」前までは、無料のキャンセルが可能だが、「同意する」をタップして相乗りが確定した後のキャンセルには乗車料金同額のキャンセル料が課金される。

 ルートの指定や乗車後のルート変更はできない。アプリ上で表示されたルートに沿って運行することになる。また、乗車後に目的地を変更することもできない。

 支払いは事前にアプリで登録したクレジットカードによる決済のみとなるので、車内での現金やクレジットカード、電子マネー等の方法で支払うことは出来ない。

 ややテンポは遅いが、日本にもシェアリングエコノミーの流れが及びつつあることを感じさせるニュースである。