「悩む」もしくは、「理由付け」を始めた時点で、それを本当は選びたくないという気持ちに気づく必要がある(写真:UYORI / PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

今年も残すところ、あとわずかになりました。この時期、この1年にご自身の身の上に起こったことを振り返る方も多いかと思います。よいことばかり思い返せれば問題ないですが、失敗した嫌なことを思い出して後悔の念にさいなまれることもあるでしょう。

失敗の原因を分析、追究したところで「感情」は残る


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そんなとき、失敗の経験を次へ生かし、新たな目標を立てることが推奨されがちです。しかし、失敗の原因を分析、追究するような方法では、うまくいかないことが多々あります。人生とシステムの開発とは違うからです。

そこには、感情が大きくかかわります。

たとえば、AとBどちらかを選択しなければならない状況があるとします。条件からしてもAがいいと思うし、周りの意見を聞いてもAがいいという状況において、Aを選ぶのが当然と思いながらも、どうも気持ちが乗らない。そんなことはありませんか。

このような場合は、Aを選ぶことを正当化しようと、理由付けを一所懸命考えます。この時点で、すでに後悔の種をまいていると言えます。

「悩む」もしくは、「理由付け」を始めた時点で、それを本当は選びたくないという気持ちに気づく必要があるのです。後になって、「これがいちばんいい方法だった」「こうするしかなかった」と、なんとか自分を納得させることに大きなエネルギーを費やすことになりかねません。

人生は、選択の連続です。今日のお昼ご飯に何を食べるのか、といった日常的なことから、人生の岐路まで、日々、選択に迫られています。

その時々で、「なんとなく」だったり、「多くの人がそうするから」で選んでしまうと、後悔を抱きやすくなります。それは、判断基準があいまいだからです。選択には、価値観が影響します。当たり前のことですが、価値観は人それぞれです。しかし、同じような環境や同じ職場、もしくは、家族や親しい友人、知人だとなんとなく価値観も同じではないかという錯覚に陥りやすくなります。そういう状況では、相手に対しても同じ価値観を求めやすく、また、違うことに抵抗を覚えたりします。そんな中で、確固たる自分自身の価値観が把握できていないと周りに流されてしまい、そのこと自体に気づかないことさえあります。本来の思いとは違う道を選んでしまうことも多くなり、後悔や不全感を残すことが増えてしまうのです。

「今の自分」をつねに把握すること

過ぎ去った過去でもなく、見えない未来でもありません。「今」の自分に目を向けることが大切です。現在地がわからないまま、未来を描くことは決してできません。

理想や夢を描くことはある意味簡単です。しかし、現在地点を模索することは至難の業なのです。

過去の記憶は、自分の都合のいいように書き換えられると言われています。過去に何があったのかではなく、過去のことを「今」どう受け止めているのか、が大切なポイントです。また、夢を思い描くだけでは不十分で、「今」いる場所を自覚することで、何から始めなくてはならないのかが明確になります。「今」の場所や価値観をつねに把握することが必要なのです。つねに「今」は動いています。居場所は変わり、環境は変わり、価値観もそれに合わせて変化していきます。仕事での立場、家族構成、健康上の問題、つねに優先順位は変化するのです。変わっているということを自分でしっかりと受け止め、柔軟に対応することが必要です。こうあるべきだったと過去の価値観に固執したり、こうしたらどうなるかと、先のことばかりを心配しないで、今の価値観を確かめましょう。

やるべきなのはわかっていても、どうしても気が乗らない、と迷うなら、辞める決断も大切です。気の乗らないことをいつまでもやらなければと思っていると、実行できない自分に嫌気がさしてきます。やろうと思ってできないことは、あなたにとってそんなに大切なことではないのかもしれません。人は必要に迫られれば、何が何でもやろうとするものですから。やらないだけなのに、できないと思い込む「ダメな自分像」を作り上げてしまうことを避けましょう。

自分の心の声を聞くセンサーを研ぎ澄ますことで、つねに変化していく「今」の価値観や思いを把握しましょう。おのずから優先順位や、本当に必要なことが見えてきます。自己実現は、この行程を繰り返していく先に訪れます。

新しい年、自分らしく生きるために、等身大の自分自身と向き合う時間を作ってください。皆さまの希望が実現しますように。