米国で最大級の公的年金基金である、カルフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は18日、運用の基本となる投資配分比率として、株式50%、債券28%などを決定しました。従前の報道では、現状の運用資産の約50%を占める株式を34%まで縮小する案も検討されていると報じられていましたが、結果を見ると株式への投資配分比率は現状と大きく変わらないものとなりました。

カルパースの投資配分比率が注目されるのは資金規模もさることながら、投資配分比率は他の機関投資家の参考とされることが多いためです。例えばカルパースが株式投資比率を上げるという決定をすれば株式市場にとっては好材料ですし、逆に株式投資比率を下げるという決定をすれば株式市場にとっては悪材料となります。それほど影響力の大きな投資家と言えるでしょう。

今回決定された投資配分比率は次の通りです。

・世界株式50%
・債券28%
・不動産などのリアルアセット13%
・プライベート・エクイティ8%
・流動性資産1%

なお、米国の公的年金運用としてはカルパースよりも連邦政府の社会保障年金制度の積立金(OASDI)の方が大きいのですが、運用対象は非市場性の財務省証券となっているため、市場関係者からはあまり注目されません。一方でカルパースよりも注目すべきは日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)です。カルパースの直近の運用資産は約3500億ドル(1ドル=112円換算で39.2兆円)ですが、GPIFの運用資産は9月末で156兆円を超えています。市場への影響はGPIFの投資配分比率の変更の方が大きいと言えるでしょう。

現状、GPIFの基本配分比率は次の通りです。括弧内は9月末時点の構成比率です。

・国内株式25%(24.35%)
・外国株式25%(24.03%)
・国内債券35%(28.50%)
・外国債券15%(14.02%)
・短期資産0%(9.10%)

GPIIFの投資比率を見てみると基本配分比率からの乖離は小さいことから大きな変更はないものと思われますが、10月以降の株式市場の上昇を考えると国内外の株式の構成比率が相対的に大きくなっているかもしれません。特定の資産の構成比率が基本配分比率から大きく乖離すると、その資産を売却するか、他の資産を増やすかして調整することなります。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。