冠番組「NGT48のにいがったフレンド!」の放送開始を皮切りに、TOKYO DOME CITY HALLでの初東京ワンマン、『Maxとき315号』のリクエストアワード1位戴冠、デビューシングル『青春時計』が各チャートで1位獲得。総選挙では10人のメンバーを壇上へと送りこむ……、2017年はNGT48にとって、まさに朱鷺の如く羽ばたいた1年だった。

先日発売された2ndシングル『世界はどこまで青空なのか?』はウィークリー2位。惜しくも連続1位は逃したが、発売後2週間近くたった今なお高い評判を得続けている。各カップリングも充実した内容、中でも現役中、高校生メンバーのみを選抜した“リアル学生選抜”楽曲『大人になる前に』は、思春期特有の“蒼さ”が眩しい詞に、センチメンタルながらどこか牧歌的な合唱曲然とした作りがNGT48の持つ白さにマッチング。本間日陽、高倉萌香、そして角ゆりあと総選挙ランカーが名を連ねるなか一番の話題を呼んだのは、センターを務めるチームN珪熊倫実(おぐま・つぐみ/愛称:つぐみん)の大フィーチャーぶり。

先日Bay-fmで放送された特別番組「AKBシンポジウム2017~ニュースターはこの子だ!」にて、キャプテン・北原里英はNGT48の新星として小熊をチョイス。結成から3年、NG48最年少へ向けられる熱い視線は、日増しに増えてきている印象だ。

小熊の最大の魅力…それは番組内で北原が語った「話しているだけで癒される。大人や業界、都会のしがらみに縛られてない」、ピュアネスだろう。

柏木由紀を始め皆が「とにかくカワイイ」と口にする、まだまだあどけなさ残る天然美少女ルックスの口元は、常に微笑みを携えている。一文字一句を丁寧に噛み砕くように喋るフワリとした声から発せられる、何にも毒されていない清風のように澄み切った言葉たち。ましてや全身から湯水のごとく湧き出でるホンワカオーラも合わさり、彼女の半径数メートルはいるだけで争いがなくなる平和な空間に早変わり。そのホンワカムードは優しくグループを包む。普段なかなか素を見せない高倉が小熊と一緒になるとリラックスし自分らしさを見せ、人見知りで寡黙な角は饒舌に早変わり。猛毒の舌を持つおぎやはぎの二人ですら、彼女の話を聞くだけで骨抜きにされてしまうほどだ。

“癒し”と共に小熊を形成するもう一つのエレメントに“真っ直ぐな心根”がある。

彼女のらしさが出たのは、小熊が気になるメンバーとしてフォローしているドラフト3期候補生の矢作萌夏(SKE48の矢作有紀奈の実妹)との同時配信。自分の憧れの人物との対話に、嬉しさのあまり泣きだしてしまった矢作を画面越しに見て、自身も感極まりつつ「泣かないで」と終わりまで優しく励まし続けたのだ。誰かのために笑い、誰かのために泣ける少女。

SHOROOMでも、わざわざやってきた“荒らし”に対して「いけんの〜、あかんの〜」と、ニコニコ笑みを浮かべ、めっ!と軽くいなしてしまった。普通なら一触即発の険悪な雰囲気になってしまう瞬間ですら、心温まる一瞬に変えてしまう。まさに純粋が実体化したかのような人柄。きっとご両親の大きな愛を一身に受け、大切に育てられたのだろうというのが手を取るようにわかる。あまりの天然素材ぶりに中井りかは「何もかもが豊か!!」と驚愕、「アルプスの少女ハイジ」ならぬ“ツグジ”と呼称、最大限の賛美(?)で褒めちぎった。山口真帆曰く「みんなのアイドル」。誰もが愛して止まない、大正解の一言でだろう。

誰をも笑顔に変えてしまう、純粋で真っ直ぐな人柄は、大好きなステージでも存分に発揮されている。

まだまだ絶賛成長中の身体を駆使したダンスは大らかで優雅。幼少期より学んできた万代太鼓で培ったリズム感、SHOWROOMの楽器演奏配信でも見せる抜群の音感よろしく、丁寧かつ愛らしい声も愛まった歌唱が素晴らしい。『話し相手は冷蔵庫』では彼女の愛くるしさが存分に味わえる。何より小熊、NGT48の活動を始めるまでは、ステージ経験はおろかダンスも歌もゼロベース。そこから、学校がある日でも練習は欠かしたことがないという。日を増すごとに成長を続ける小熊のパフォーマンス。“ダンス選抜”楽曲『よろしく純情』にも参加と今なお成長著しい。まさに、彼女の父が語るように“スポンジ”のごとき吸収力は大きな武器となりつつある。

その小熊は一つの異名を持つ。それは“劇場の鉄人”。NGT48劇場は、オープンからチームN掘研究生の定期公演に加え特別公演を含め現在(12月23日現在)まで計322回の公演を開催している。なんと小熊は全てに出演、約2年に渡り休みなくステージに立ち続けているのだ。小熊を劇場の鉄人として動かす原動力は、ファンの存在。「ファンの方がいるから自分がいる」と常々語る小熊は、「帰る時に少しでも、良い気持ちになっていただきたい」という気持ちを持ってパフォーマンスし続ける。劇場とは、応援するファンへ自分なりの恩返しが出来る「特別な場所」。そこに立つ以上、どんなに疲労が溜まろうと忙しかろうと決して手を抜かないのだ。遠征帰りのその足で研究生公演の練習に参加、身を粉にし頑張る小熊に西村菜那子は最大限の感謝の言葉を述べている。小熊もまた“何があってもへこたれない”を体現するメンバーなのだ。

総選挙の結果、公演での序列など苦悩する日々もあった。それでも涙を時には流しながらも笑顔に変えて、常に癒しを振りまき続けてきた小熊。最近の成長は、自らの頑張りで手繰り寄せたものだ。

小熊は先日開催された生誕祭にて「来年総選挙があったとしたらランクインを目指したいな」という大きな目標を掲げた。“嬉しいことをいっぱい届けたい”、を信条とする小熊が、口にした明確な目標。これからもその存在を持って、彼女に触れる人全てに、嬉しいをいっぱい届けてくれることでだろう。

そんな小熊にもウィークポイントが一つ。それは…整理整頓が苦手という点。劇場の舞台袖には着替え用のカゴが用意されているのだが、早着替えの際に小熊はポイッ!と投げ散らかしては周囲に衣装を散乱させては注意を受けているよう。さらに盟友・長谷川玲奈は家族ぐるみの付き合いがあるにもかかわらず、一度たりとも自宅部屋へ入ったことがないそう。その理由は「足の踏み場がない」から…。小熊自身、ぐうたらな性格が難点と自覚。こうしたヌケた部分も彼女の天真爛漫さを引き立たせている…と思うのは言い過だろうか。

(田口俊輔)