去就が注目されるダルビッシュ有【写真:Getty Images】

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エプスタイン強化担当責任者の明かした“補強方針”とは…

 今オフのフリーエージェント(FA)市場最高の先発投手と呼び声高いダルビッシュ有投手(ドジャースFA)。カブス、レンジャーズ、アストロズと直接会談した日本人右腕には、ツインズからもラブコールが届き、ヤンキースやドジャースも興味を捨ててはいない。通訳なしで臨んだ直接会談で、ともに好印象を得たダルビッシュとカブスだが、契約が高騰しすぎた場合はカブスは争奪戦から撤退する可能性が高いという。地元紙「シカゴ・サンタイムス」電子版」が伝えている。

 カブスは先発ローテの強化を目指しており、ダルビッシュと直接会談を持った他、同じくFAのアレックス・コブ投手、トレードの噂が出ているレイズ右腕クリス・アーチャーにも興味を抱いていると報じられている。FA市場トップの先発投手でもあるダルビッシュは、6年1億5000万ドル(約170億円)にも上る大型契約になると予想されているが、記事ではダルビッシュ争奪戦の入札競争で契約が巨大化すればカブスは撤退する、とした。

 その根拠となるのが、10月にプレーオフで敗退した直後に地元メディアにセオ・エプスタイン強化担当責任者が明かした“補強方針”だ。今オフにFA目玉選手と契約する可能性を問われると、エプスタイン氏は「それは望ましい方法ではない」と答えたという。

 カブスが望むの「次なるジェイク・アリエッタ」の発掘だ。カブスは2013年に右腕スコット・フェルドマンと捕手スティーブ・クレベンジャーをオリオールズに送り、アリエッタと右腕ペドロ・ストロップを獲得するトレードを敢行した。カブスが獲得した2投手の活躍は目覚ましく、特にアリエッタは2015年に22勝6敗、防御率1.77の成績でサイ・ヤング賞を獲得。だが、この年の年俸はわずか363万ドル(約4億1000万円)だった。

 ここへ来てダルビッシュを巡る状況は活発化しており、争奪戦が激化すれば年俸は急騰するだろう。だが、そうなった場合には、カブスの“補強方針”から大きく離れるため、撤退する可能性も十分あると言えそうだ。同時に、来季は2年ぶり世界一奪取を目指すカブスが補強のために思い切った買い物をする可能性も否定できない。ダルビッシュを巡る状況は、しばらく目が離せなそうだ。(Full-Count編集部)