ヒトラーの行進に使われていたメルセデス・ベンツ「770K」がオークションに登場

【ギャラリー】1939 Mercedes-Benz 770K Open Tourer used by Hitler13


過去に有名人が所有していたクルマが売られていると聞いたら、普通は映画スターやミュージシャン、レーシング・ドライバーのことを想像するだろう。独裁者を思い浮かべることはあまりないし、中でも最悪のアドルフ・ヒトラーとはまず考えないだろう。だが、他でもないそのヒトラーに所有されていたのが、今回ご紹介する1939年型メルセデス・ベンツ「770K グロッサー オープンツアラー」(写真)だ。しかもこのクルマは来年1月17日にWorldwide Auctioneersが開催するスコッツデール・オークションに出品されるから、あなたも歴代オーナーに名を連ねることができるかもしれない。

詳しい話に入る前に、オークション・ハウスのWorldwide Auctioneersも我々Autoblogも、ヒトラーとナチス、彼らの所業を決して許さないということは言明しておきたい。実際、同車の落札金額の10%はホロコーストを知りその再発を防ぐ教育のために使われるそうだ。以上をお伝えしたところで、クルマの詳細や来歴を見ていくことにしよう。オークション・ハウスによれば、同車は親衛隊員でヒトラーの運転手だったエーリヒ・ケンプカが注文したもので、来訪した首脳を乗せるゲストカーとして、また1939〜1941年のナチスの大行進にも使われたという。


ヒトラーの移動に使われるクルマであるため、防護装備も強化されていた。車体の側面と下部には装甲板が装着され、フロントウィンドウには防弾ガラスを使用。危険が迫った時には座席後方に装甲板をせり上げることも可能だという。このメルセデス 770Kは標準でも実に優れたクルマで、スーパーチャージャー付き7.7リッター直列8気筒エンジンは最高出力230hpを発生。トランスミッションは5速MTが組み合わされている。ディストリビューター・ハウジングに施されたエンジンターン加工からもうかがわれるように、細部まで精緻に作り込まれている。


それにしても、このクルマを所有することは、相反する感情を伴う経験になるだろう。一方では、美しく素晴らしいクルマであり、オークション・ハウスによれば、連合軍に押収されたあと、米国兵が記した書簡の中でその走りの良さも言及されているという。しかし、もう一方の心情としては、歴史上の最たる極悪人に所有されていたクルマであるという事実を忘れることはできないからだ。

By Joel Stocksdale
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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