「ジャパンタクシー」(写真: トヨタ自動車の発表資料より)

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 10月23日にトヨタが発表して、「東京モーターショー2017」でも話題になり、すでに街中を走り廻って活躍している「ジャパンタクシー」 は、22年ぶりのタクシー専用車だ。

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 タクシーというのは乗務員というヒトが交代しても、継続して使い続けられる過酷な境遇にある。営業タクシーの稼働時間は一説には1日20時間という。個人所有の車は停車している時間が圧倒的に多いことを考えると、稼働状況は全く違う。

 タクシーにまつわるイメージは人それぞれだ。愛想が悪いとか遠回りでぼられるとか、あまり良いイメージは出てこないかも知れない。最近は「短距離でもどうぞ」という声も聞こえるが、タクシー会社の思惑と、乗務員の本音は違うような気がする。

 だが、タクシーは玄関口まで迎えに来てくれて、目的地まで送り届けてくれる究極の公共交通機関である。カーシェアリングや自動運転、電気自動車など、自動車にまつわる最新の話題は尽きないが、高齢化の進展する日本においては足腰が弱くなった高齢者や、体の不自由な人の移動手段として、重要な位置を占めていることは間違いない。

 意外なのが価格である。「ジャパンタクシー」 はLPガスエンジン搭載の5人乗りのミニバン風ボディで、安くて320万円台と結構な金額になる。それだけに耐久性はケタ違いで、一般的にタクシーの走行距離は平均40万〜50万kmと言われる。「ジャパンタクシー」の足回りはサスペンション・スプリング・ダンパーからアーム・ベアリングまで新作された耐久性優先の太くてごつい専用品。エンジンもヘッドやバルブは専用品で耐久力を向上させている。リアシートは造りが広く分厚いので、乗り心地も申し分ない。

 車椅子を乗せたいときには座面を跳ね上げて助手席を前に倒す。車椅子がのる車種かどうかを見極める必要がなければ、介護に明け暮れている人にとっては朗報だろう。ラゲッジにはゴルフバッグが4個、あるいは77サイズのトランクが2個、収納可能となっている。

 「ジャパンタクシー」は国土交通省が推進するユニバーサルデザイン(UD)タクシーとして認定された。UDタクシーとは高齢者や子どもでも乗りやすく、クルマ椅子がそのまま入る、障壁のない使いやすいタクシーのこと。スタイルはずんぐりむっくりのミニバン風だが、古典的なイメージのフロントグリルと、リアトランクの張り出しが個性を醸し出している。

 日本独特の「濃藍」(濃いブルー)をイメージカラーとする「ジャパンタクシー」が、「ロンドンタクシー」や「イエローキャブ」のような知名度を獲得する時代には、マチの風景が大きく変わっているかも知れない。