高級帽子の代表格・伊ボルサリーノ。アメリカのギャング、アル・カポネも愛用していたという(写真:ロイター/アフロ)

クリスマス商戦まっただ中の12月18日、イタリアの老舗帽子メーカー「ボルサリーノ」が同国で破産手続きを申請した。

現地報道によると、ボルサリーノは2015年にも経営難に陥り、当時のオーナーがイタリアの投資ファンド、ヒエレス・エクイタに経営権を売却、同社の子会社となっていた。しかし、その後も経営状況は改善せず、今回破産申請に至った。

1857年創業のボルサリーノは、高級帽子の代表格として知られる。日本でも人気が高く、麻生太郎財務相や古くは昭和天皇も愛用したと言われる。

日本では2種類のボルサリーノ

日本に流通しているボルサリーノの帽子は大きく分けて2種類ある。1つは本国イタリアからの直輸入品。もうひとつは日本の帽子メーカー、中央帽子によるライセンス製造品だ。ネットなどで販売されている、比較的安価でワインレッドのダグに国産と表記されているものがライセンス品。一方、直輸入品は日本橋三越本店や日本橋高島屋などの百貨店に入居する直営店中心に売られている。

ライセンス品については、2016年いっぱいで中央帽子がライセンスを返上し製造を中止。在庫限りで販売されている。直輸入品に関しては、東京都千代田区に本社を置く帽子メーカー、オーロラの関係会社「ボルサリーノ・ジャパン」が販売を手掛けている。

日本でのボルサリーノの帽子販売への影響について、ボルサリーノ・ジャパンに問い合わせたところ、「直営店は通常通り営業しており、当面は商品供給に問題はありません」と返ってきた。

一方、オーロラにも同様の問い合わせを行ったところ、「確認中であり詳細は現在も分かっておりません」との回答だった。ボルサリーノ・ジャパンの関係者は「(イタリア本国の)工場の製造ラインは現在も動いている。(日本からの)発注済み分の納品は確約されているが、年明け以降欠品が相次ぐ恐れもある」と打ち明ける。

破産が伝えられた日に麻生大臣が来店


麻生太郎財務相もボルサリーノの帽子を愛用している(写真は2013年)(写真:ロイター/アフロ)

オーロラと伊ヒエレス・エクイタとのライセンス契約は2020年末までとなっているが、ボルサリーノが破産手続きを開始した以上、契約の継続は難しいだろう。

また、メンテナンスに関しても不安が残る。「今後もクリーニングなどの対応はできるが、帽子のリボン交換などはどうなるかわからない」(都内百貨店内のボルサリーノ直営店)。破産のニュースを聞きつけ、在庫がなくなる前にと買いに来る客も多いという。「破産のニュースが流れた日には、麻生財務相も来店して今後を心配していた」(ボルサリーノ・ジャパン関係者)。

ボルサリーノ・ジャパンの業容は近年拡大を続けていた。帝国データバンクの調べによると、直近の2017年2月期の売上高は4年前と比べ1.5倍の6.7億円に成長、最終利益も約2400万円を確保していた。

しかし、好調な日本とは対照的にイタリアでの販売は不況も相まって芳しくなく、破産につながったという。

今シーズンは明るめの茶色が人気というボルサリーノ。帽子の色のように、今後明るいニュースが飛び込んでくることはあるだろうか。