33得点を叩き出した一関学院ニアン【写真:平野貴也】

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ウインターC女子1回戦、セネガル人留学生ニアンが躍動、指揮官「容赦なくボール入れた」

 大逆転だった。チームの指揮を執る山田繁コーチは「10点開いていたら、全国大会ではなかなかひっくり返らない。流れを失ったままだから、どうなるかなと思ったけど、なるようになれと思った」と苦笑いを浮かべた。ウインターカップ2017全国バスケットボール選手権大会は23日に東京体育館で開幕し、女子の一関学院(岩手)は90-81で龍谷富山(富山)に逆転勝利を収めて2回戦進出を決めた。

 前半を終えて7点のリードを奪われたが、山田コーチは5点差まで詰めて行けば大丈夫だと選手に声をかけた。しかし、第3ピリオドが終わると点差は11に開いていた。一関学院には、セネガル人留学生のニアン・ンディ・クンバという身長190センチの大型センターがいる。バスケットにおける高さは、大きな強みだ。ニアンと身長178センチの大畠澄のツインタワーを先発で起用し、攻撃面では一定の手応えを得た。

 しかし、逆にディフェンスでは小柄でスピードのある相手にマンツーマンでは付くことができず、ゾーンディフェンスで対抗したが、振り回された。インサイドの勝負に持ち込めば、ニアンのブロックから速攻が狙える。しかし、相手のアウトサイドにフリーの選手を作られて、外角シュートを決められた。長身のニアンは、相手に付くことができないまま失点が続くもどかしい展開にストレスを感じていたという。第2ピリオド、山田コーチはニアンをベンチに下げた。

 武器を失うような形に見えるが、高さを捨て、フットワークの利く選手を入れてマンツーマンディフェンスで対応。試合を互角の展開に引き戻すと、1年生ガードの坂本佳那、ガッツのある鶴巻なつ香を入れて試合をテンポアップ。同時に主将の菅原成美、吉田茉衣を休ませて終盤に備えた。それでも第4ピリオドを11点差で迎えることになったが、最後は少しずつ相手の外角シュートの精度が落ちていった。

昨年は負傷で欠場のニアン「今年は去年より楽しい。結果を残したい」

 そして、主将の菅原が「同点に追い込んで3ポイントが入ったり、ニアンがバスケットカウントを取ったりしたところで行けるかなと思った」と話したとおり、守備でリズムを立て直したことで攻撃力が蘇った。山田コーチは「とどめは、ニアンでしょう。最後は周りが下級生だったから、容赦なくニアンにボールを入れて、ゴール下のシュートで得点を量産できた」と笑顔を見せた。

 ニアンは、終盤に1人で9連続得点を決めるなど33得点をたたき出した。昨年は負傷で出場できず、スタンドから見守っていたが、今年はエースセンターとして存在感を発揮。「去年は出られなくて悔しかった。今年は、去年より楽しい。今日はベンチに下げられて気持ちが落ちたけど、この大会で最後だから、結果を残したい。だから、負けるとしても、ベンチに下げられるとしても、最後まで頑張ろうと思って気持ちを切り替えた」と第4ピリオドの逆襲に気持ちをつなげていた。

「勝って、3回戦で(インターハイ女王の)岐阜女子と対戦したい」と最強留学生を擁する女王への挑戦に意欲を示した。24日に行われる2回戦では、津幡(石川)と対戦する。女王への挑戦権を手に入れるためには、負けられない。(平野貴也 / Takaya Hirano)