米国の利上げで日米の金利差が拡大傾向にある。そんな中で多くの上場メーカーが、下期の想定為替レートを現状より円高に設定している。

 米連邦準備理事会(FRB)は、12月13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で6カ月ぶりの利上げを決め、政策金利の誘導目標を0.25%引き上げて「年1.25%〜1.50%」とした。年内の利上げは3回目となる。FOMCは日銀の金融政策決定会合に相当する金融政策の最高意思決定機関で、約6週間ごと、年8回開催されている。

 米国の政策金利は昨年12月のFOMCで「年0.50%〜0.75%」に引き上げられたあと、3月に「年0.75%〜1.00%」、6月に「年1.00%〜1.25%」にそれぞれ0.25%ずつ引き上げられた。2018年の利上げ見通しについてFRBは、従来通り3回の見込みであることを公表し、米国では緩やかながら利上げが続いていくことになる。金融緩和を継続する日本との金利差は拡大することが予想され、金利差に注目すれば、ドルに対して円安が進むことになりそうだ。

 そんな中、東京商工リサーチは12月8日、上場メーカーの「2018年3月期決算 下期想定為替レート調査」の結果を発表した。対象は東京証券取引所1部と2部市場に上場する3月期本決算の主な電気機器、自動車関連、機械、精密機器メーカーのうち、2018年3月期決算の業績見通しで第3四半期以降(10月以降)の下期想定為替レートが判明した98社。決算短信や業績予想などに基づいて集計した。

 主要メーカー98社の下期業績見通しにおける対ドルの想定為替レートを見ると、「1ドル=110円」が54社(構成比55.1%)で最も多く、以下、「1ドル=105円」が15社(同15.3%)、「1ドル=108円」が10社(同10.2%)、「1ドル=111円」が8社(同8.1%)、「1ドル=112円」が7社(同7.1%)となった。想定為替レートの最高値は105円で、最安値は113円だった。

 期初の想定為替レートとの比較をすると、期初と同じ「据え置き」が55社(構成比56.1%)で、「円安設定」が39社(同39.7%)、「円高設定」が1社、「期初が不明」が3社だった。内容を細かく見ると、「110円を据え置き」が30社(同30.6%)で最も多く、「105円を据え置き」が14社(同14.2%)、「105円から110円に変更」が12社(同12.2%)、「108円から110円に変更」が8社(同8.16%)、「108円を据え置き」が7社(同7.14%)で続いた。

 為替はさまざまな要因で動くため、米国の利上げが直ちに円安とはならないものの、日米の金利差が拡大すれば円安になる可能性が高くなる。そんな中で多くの上場メーカーが、対ドル想定為替レートを現状より円高に設定している。輸出が多いメーカーの業績が、下期にかけて上振れする可能性がありそうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]

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