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 完成検査は「形骸化」しやすいものだが、こうしたことが行われる組織の体質は、組織全体に渡る可能性が高く、システム全体として信頼がおけないことになる。完成検査で問題が出て、修正が必要となること自体が、造り方に問題があり、またラインの作業中に問題が発見できないこと自体に懸念がある。「うっかりミス」ではなく体質的なもので、より深刻なのだ。

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 スバルの車はAWDの強みを発揮して完成度の高い仕上がりで、「運転支援システム」も先行して採用され、性能はアメリカでも評価が高い。製造業での問題は、その優れた性能が「どの車でも同じように出来上がっている」のかだ。「品質」の良し悪しは、機能の高さと共にこの信頼性なのだ。

■不良に対するスバルの対応は最悪

 スバル車で、新車からエンジン不良に悩まされてきた。発進時にエンジンが「息つき」を起こすのだ。右折の時に危険を感じた。エンジン警告灯が点灯してしまうほど「息つき」するのだ。ディーラーに修理を頼むと、「同乗させてくれ」との整備士の申し出なので、乗せて走って現象を確認させた。ディーラーに戻って「この現象だ」と言うと、「現象は出ていない」と言い出した。それから3時間、怒鳴り合いとなった。

 “危険なので引き下がるわけにもいかず”押し問答となったが、後日、ディーラー本社技術者が出てきて、テスターを用いて点検すると「確かに起きています」と言い直した。直しきれなかったが、制御プログラムのテーブルの数値を変更して現象は緩和した。そのまま乗り続けているが、いまだに起きるときもあり完全には直らない。

 今から思えばディーラーの担当者は、「お客をクレーマー扱いして不良を隠蔽する」テクニックを、ディーラー全体で訓練されているのであろう。それは、SUBARU本体や旧富士重工と、タカタのエアバックの件で話した時に分った。

■「新車検査の問題」も、「この不良」を突き詰めていれば、SUBRUは気付いたはず!

 「新車からエンジン不良が出ている」ことを重要視できていれば、SUBARUは新車検査が形骸化していたことに自分たちで気付いていたはず。「隠蔽体質」になっていることが、問題が大きくなるまで放置していた原因だ。SUBARUの品質管理が、残念だが破たんしている証拠であろう。

 “クレームを隠蔽する”現在のクレーム対策の間違いが明確なのだが、SUBRUは「反省し改める姿勢」は示していない。「買い替え交渉」をしているのだが、営業マンは「言い訳」を並べ続けて売り込んでくる。「ごまかす」ことが、ディーラーを含めて企業体質となってしまっているのだ。これは「品質管理のイロハ」を無視していることになる。これでは、SUBARUが数十年かかって築いてきた品質管理が、今後、徐々に瓦解する方向にしか動かない。

 この体質をSUBARUが脱出するのは容易ではなかろう。社会全体の体質となっているからだ。残念なことだが、トヨタ、日産なども同じ体質となっているようだ。トヨタが瓦解するのは意外にこのあたりからかもしれない。少なくともディーラーなど「客対応の現場」から、企業全体の崩壊は起きるのであろう。その兆候は、社会の「車離れ」を止められないことでみてとれる。「問題に真摯に向き合えない」のでは「カイゼン」は進まない。むしろ「改悪」になっている。

■悪質化する企業の欠陥隠し

 タカタのエアバックでも不良の対象車となったので、「いつ交換が実施できるのか?」と問い合わせたときに、SUBARUの窓口は回答せずに「何やっているんだ!」と逆にこちらをしかりつけてきた。呆れたものだ。営業マンを呼んで、丁寧に「アメリカ社会では訴訟ですよ」と説教したら、素直なその営業マンは「訴訟の対象なのですか・・・」とうなだれて反省しきりだった。社会の基本的常識が欠落しているのだ。

 最近は「クレーマー対策」を“純粋なお客にも適応してしまう”ことが、多くの自動車会社、保険会社、携帯電話会社などで目立つ。「悪質なクレーマーが増えた」と称しているが、「メーカーの不良隠し」に使われている。現代の「企業の悪質さ」を考えるときにきたのであろう。保険会社は以前からであり、「責任を逃れるためのテクニックの発祥は保険会社?」と考えたくなるほど昔からである。

 ネットの書き込みにもひどいものが目立つ。匿名であることの弊害なのであろうが、既に社会全体が「不謹慎」になっていると言わざるを得ない。今後も、あらゆる業種の、まるで「2chの書き込み」のような態度に注視していかねばなるまい。そして「車離れの一因」となる事態であろう。これは非常に残念だ!おそらくは、日本国内の車市場の減退が、経済全体を心配するほどになるまで続くのであろう。

 トヨタの豊田章男社長が提唱している「もっといいクルマをつくろうよ!」は、かなりの内容を含んだキャッチフレーズで、ディーラーを含め車業界全体で実現してほしいものだ。自動車ジャーナリストもメーカーの単なる宣伝マンになり下がらないように襟を正してほしい。悪質化することは、半世紀余りの車ファンとしては、非常に残念だ!今回の事件を良い契機として、「カイゼン」する方向性に動くことだ。

 考えを巡らせると、あらゆる意味で日本経済再生の最後のチャンスかもしれない。