下取り査定額が値引き拡大の鍵をにぎる

 新車購入に際して交渉して提示される値引額は、車両本体価格からの“車両本体値引き”、オプション総額からの“用品値引き”そして“下取り査定額の上乗せ”からおもに構成されている。

 ディーラーが仲介するディーラーローンを組むと値引額がアップするのだが、これはディーラーが仲介した信販会社(メーカー系が多い)からもらうバックマージンの一部が充当されるため。しかし、もともと現金一括払いで予定していたのに、値引きアップ目当てで下手にローンを組むと、当然“金利”が発生し、これが現金一括払いに比べれば余計な支払いとして上乗せされるので、そのあたりは損得勘定を入念にしてもらいたい。

 話を戻すと、年度末商戦のような増販期(とくに多く新車を売らなければならない時期)で値引きアップの鍵を握るのは下取り査定額の上乗せとなる。

 下取り査定は内外装の状態(傷やへこみ、汚れなど)や、走行距離などを、実車をチェックして確認し、当該車両の現状価値を“値踏み”するもの。買い取り専業店ではこれに中古車市場での人気などをさらに加味して買い取り額を決めているが、最近では下取り査定でも中古車相場を意識しているので、昔ほど買い取り専業店の買い取り額と下取り査定額の差は目立たなくなっている。

 ただ、下取り査定では、さらに新車購入商談での値引き交渉の進捗状況次第では、“値引き支援”としてさらに査定額の上乗せが行われることがほとんどとなっている。査定額の上乗せは新車購入希望客個々の値引き交渉の状況によって個々に判断されるのが通常期なのだが、増販期では“車種に限らずプラス5万円”とか、“初度登録から13年以上経過したクルマは一律13万円で下取りOK”などと、個々の商談の進捗状況に関係なく査定額の上乗せが行われることが多い。そのため“下取り査定額が値引き拡大の鍵をにぎる”のである。

 もともと今どきディーラーの下取り査定では、初度登録から13年超で過走行、さらに内外装がボロボロで再販価値がないとしても“査定ゼロ”というものはまず出ない。これは査定ゼロとなる、つまり解体(永久抹消)となると、ユーザーが預けていた“リサイクル預託金”がその処理に使われてしまうので、数万円ほどでも査定額をつけ、名目上だけでも“再販予定車”とすることで、リサイクル預託金をユーザーに還付することができるからなのである。 

 ただし、新車購入が活発化すればそれだけ下取り車も多く発生するので、買い取り専業店も手をこまねいているわけではない。今は買い取り専業店内でも新興勢力の台頭などにより、競争が激化、この時期には積極的な買い取りキャンペーンを仕掛けてくるので、新車ディーラーも一律で査定額アップを実施していながら、さらに値引き交渉の終盤には査定額の上乗せを行うことも多い。

 一気に好条件の出る買い取り額に対して、下取り査定額はジリジリとアップしていくものなので、短気をおこさずに商談の終盤まで下取り車は手元に置いておくことをおすすめする。

 自分では「かなり古いし走行距離も多いからなあ」と思っていても、とくにミニバンやSUVならば、海外バイヤーの人気が高いので想定外の“価値”がつくこともあるので、取り扱いは慎重にしてもらいたい。