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もくじ

どんなクルマ?
ー 新リーフ 航続距離と動力性能向上めざす

どんな感じ?
ー 追い越し加速で進化を実感 気になる部分も
ー e-ペダル 曲率ゆるければサーキットでも「使える」
ー 気になる一充電走行距離 公表値の50%?

「買い」か?
ー 200kmを超えるような遠出をしないならば

スペック
ー 日産リーフGのスペック

どんなクルマ?

新リーフ 航続距離と動力性能向上めざす

日産リーフ、2010年に発売された初代は、日本における市販型EVの先駆けのひとつであると同時に、世界的に見ても量産型EVとしてはパイオニアといえるクルマだった。が、しかし、その販売台数は、日産の予測を下回ったといわれる。

おそらくその最大の要因は、一充電走行距離の短さにあったのだろうと想像できる。初代リーフ初期型、日本仕様のそれはJC08モードで200kmとされたが、実際に路上を交通の流れに乗って走ってみると、その半分の100km前後というのが実情だったといえる。

そこでその7年後に登場した新型は、バッテリー、電気モーター、それを制御するインバーターのすべてを大幅に強化、動力性能をアップすると同時に、走行距離も大幅に伸ばしてきた。

リチウムイオンバッテリーを先代の24/30kWhから40kWhに容量アップ、モーターを最高出力110kW、最大トルク32.6kg-mに強化した結果、JC08モードの一充電走行距離は400kmと、先代初期モデルのちょうど2倍に達する数字を公表しているのだ。

それだけでなく、当然ながら動力性能も向上、例えば0-100km/h加速は先代より15%ほど速くなって、8秒台をマークするという。特に数値の公表はなかったが、最高速も向上しているだろう。ちなみに車重は1490〜1520kgの範囲にある。

ひと目見てわかるように、ボディスタイリングも一新されているが、キャビン部分の基本形状は変わっていないし、2700mmのホイールベースや1500mm台の前後トレッドなどの数字からして、プラットフォームの基本は先代と変わらず、その進化型だといえる。

車種は装備などの違いによってS、X、Gの3モデルが用意され、プライスはそれぞれ税込で3,150,360円、3,513,240円、3,990,600円となっている。

どんな感じ?

追い越し加速で進化を実感 気になる部分も

床下にバッテリーを収めているからだろう、ドライバーズシートの着座位置はガソリンもしくはディーゼルエンジンのFWD=前輪駆動車よりやや高い印象をうける。室内の空間は特に広々した印象はないが、リアシートにはふたりの大人に不足のないスペースが確保されている。

スタートボタンを押して準備完了、アクセルを普通に踏めば滑らかにスタートし、深く踏み込むと、起動時に最大トルクを発生する電気モーター独特の、ドンッと蹴飛ばされるような加速が始まる。0-100km/h 8秒台、という数字を納得させるだけの勢いがある。

さらにスピードが乗ってからの追い越し加速も、例えば60-100km/hでは先代より30%速くなっているといわれるが、たしかにそれもなかなかのものだ。とはいえ、それを愉しんでばかりいると、航続距離が短くなるのでご用心、である。

試乗車は、17インチタイヤを装備する最上級モデルのGだったが、乗り心地は角の取れた、快適なものだったといえる。ただしボディの剛性感に関しては、特に緩いわけではないが、1週間ほど前に乗ったe-ゴルフには及ばない、という印象だった。

その一方で、舗装の種類が違うので一概に比べられないが、エンジンがないために耳につきがちなロードノイズに関しては、e-ゴルフより低く感じられた。そのためもあってか、ちょっとスピードを上げると、ドアミラー周辺の風切音が耳についたけれど。

e-ペダル 曲率ゆるければサーキットでも「使える」

新型リーフのポイントのひとつは、日産がe-ペダルと呼ぶワンペダルドライビングにある。EVは電気モーターの性質上、通常でもガソリンエンジン車よりエンジンブレーキが強いが、新型リーフにはe-ペダルスイッチというモノがあり、それをONにすると減速度が一段と強まる。

さらにe-ペダルモードでは、状況によって通常のブレーキも併用するため、最終的にはブレーキペダルを踏まなくてもクルマが停止する、ワンペダルドライビングが可能になっている。実は、これを最初に僕らに提示したのはBMW i3だったが、ノートe-Powerに続いて、新型リーフもそれを採用したわけだ。

それを試す舞台として、本来はカート用のスモールサーキットが試乗コースに用意されていた。e-ペダルモードでそこを走ると、比較的緩いコーナーへの進入時などにはブレーキペダルを踏まずに充分なだけ減速されて回頭し、たしかに走り易い。

だがその一方で、コーナーの曲率がイメージした以上にきつく、e-ブレーキだけでは減速し切れないと判断、e-ブレーキから通常のフットブレーキに移る場合など、減速Gの変換がもっと自然かつスムーズになされるとより好ましい、と思ったのも事実だった。

いずれにせよ、サーキットを走るような限界的な場合を別にして、ワンペダルドライビングは魅力的なシステムだと思う。

気になる一充電走行距離 公表値の50%?

サスペンションは適度にソフトな設定なので、サーキットではそれなりにロールするが、重いバッテリーを床下に収めるEVならではの重心の低さが功を奏して、安定したコーナリングを披露してくれた。そのステアリング、適度に軽いのは好ましいが、贅沢をいえばもう少し繊細なフィールが欲しいとは思った。

いずれにせよ、新型リーフをオールラウンドな実用車として使おうとすると、実際の一充電走行距離が最も気になるところだ。日産のスタッフからは、公表値の60%くらいと考えていただければ、というニュアンスの言葉があったから、それでいうと240kmということになる。

けれども、当方の初代リーフでの経験からいうと、公表値の50%というのが確実なところだった。案の定、スモールサーキット試乗時にチラッとメーターを見たら、電気残量50%弱で、走行可能距離100km弱を示していた。

その試乗車がフル充電してからずっとサーキット走行に使われていたかどうかは不明だが、もしもそうだと仮定したら、冷徹に踏み込んで周回し続けても200kmほど走る、ということになる。だとしたら、それはそれで悪くない数字ではないかと思う。

前車追従走行などを実現するプロパイロットに加えて、縦列駐車、後ろ向き駐車、前向き駐車の3種類をすべてカバーする、プロパイロットパーキングをオプション装着できるのも新型リーフのポイントのひとつだろう。ただし今回の試乗会では、残念ながらそれを自分で試す時間がなかった。

「買い」か?

200kmを超えるような遠出をしないならば

エンジン車より静かでスムーズ、それでいて実用域では力強く、しかもゼロエミッションで環境にも優しいEVは、日常の足に使うのに理想的なクルマのように思える。けれどもそれは、往復で200kmを超えるような遠出はまずしないユーザーには、という限定条件がつく。

その一方で、初代リーフが発売された2010年には日本全国に360基しかなかった急速充電器は、2017年3月末の時点で7108基へと激増しているという。しかも今や高速道路のSA/PAの40%には急速充電器があって、ガソリンスタンドの25%を上回っているのだという。

つまり、充電する回数と時間を気にしなければ、EVでの遠出も可能な環境になった、ということだろう。初代より様々な分野で大幅に実力と魅力をアップした新型リーフだが、まずそれを買うべきは、その魅力を味わうためには充電の手間をいとわない、というひとたちではないだろうか。

日産リーフGのスペック

■価格 3,990,600円 
■全長×全幅×全高 4480×1790×1540mm 
■最高速度 -/h 
■0-100km/h加速 - 
■航続可能距離 400km 
■CO2排出量 0g/km 
■車両重量 1520kg 
■パワートレイン モーター 
■使用燃料 電気 
■最高出力 150ps/3283-9795rpm 
■最大トルク 32.6kg-m/0-3283rpm 
■ギアボックス シングルスピード