相手ドライバーの夫が致命傷を負った6月に起きた衝突事故で、テニスのスター選手、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)も相手ドライバーも訴追されることはないと、水曜日に警察当局が発表した。

パームビーチ・ガーデンズ警察の報告書によると、ビーナスが自宅近くの混んでいた6車線の道路の交差点を横切ろうとした時、別の車が違法にビーナスの車の前を横切ったことから一連の出来事を招き、リンダ・バーソンさん (68歳) が運転するセダンがビーナスのSUVの助手席側に衝突する結果となった。

バーソンさんの78歳の夫、ジェロームさんは、衝突事故の13日後に死亡し、バーソンさん自身も腕を折るなどの怪我をした。38歳のビーナスには怪我はなかった。ジェローム・バーソンさんの遺族はビーナスに対して、請求金額を特定せずに不法死亡訴訟を起こした。

捜査責任者である警察官、デビッド・ダウリングは報告書の中で、付近に設置されていた防犯カメラの映像から、ビーナスが、自身の住む区域を出て青信号で合法的に交差点に進入したことがわかると述べている。ビーナスが交差点を横切ろうとした時、黒っぽいセダンが前に侵入してきたため、ビーナスの車は停止を余儀なくされた。セダンがいなくなった時、ビーナスの車は前進し始めたが、それによって青信号になったバーソンさんの行く手を阻む形になった。バーソンさんの車はビーナスのSUVに時速40マイル (65キロ) で突っ込んだ。

州法はビーナスが交差点から出ることを認めており、一方のリンダ・バーソンさん側は青信号ではあったものの、交差点にほかの車がないことを確認する義務があったと、ダウリングは報告書の中で指摘した。

バーソン家の弁護士、マイケル・ステインガー氏は、ダウリングが出した結論は間違っており、裁判に訴えると述べた。

「これまでのこのような事件で警察がまとめたすべての報告書が示しているとおり、私どものクライアント側は青信号だったので、ビーナスはクライアントの優先権を明らかに侵害しました」とステインガー氏は声明文の中で述べた。「防犯カメラの映像は、ビーナス側の信号の色を示していないという点においても、この報告書はより不正確であり、従って、警察署が導き出した結論の裏付けにはなりません」

ビーナスの弁護士、マルコム・カニンガム氏にもメールでコメントを求めたが、速やかな返信は得られなかった。

ビーナスはテニスのスター選手、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の姉で、4大大会を7度制しており、そのうち5回は得意としているトーナメント「ウィンブルドン」である。

衝突の数週間後にビーナスは「ウィンブルドン」に出場し、7月15日の決勝でガルビネ・ムグルッサ(スペイン)に敗れた。大会の記者会見で、衝突事故やジェローム・バーソン氏の死亡について聞かれたビーナスは、涙を流した。

ビーナスはキャリア通算4000万ドル近くの賞金を獲得しているほか、自身のアパレルブランドを持ち、様々なエンドースメント契約も交わしている上、わずかだがマイアミ・ドルフィンズの所有権も保有している。
※編集部注:エンドースメント契約とは契約した企業から報酬をもらう代わりに、その企業の商品を使用するというもの。

(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は今年の「全豪オープン」のプレスカンファレンスのときのビーナス
(AP Photo/Kin Cheung)