会心の演技を見せた田中

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 ◇フィギュアスケート全日本選手権第2日兼平昌冬季五輪代表最終選考会(2017年12月22日 東京都調布市・蔵野の森総合スポーツプラザ)

 平昌五輪フィギュアスケート男子代表3枠目争いは、田中刑事(23=倉敷芸術科学大大学院)が一歩リードした。SPは91・34点の2位。国際スケート連盟公認ではないため記録には残らないものの、自己ベストを上回り初めて大台を突破した。

 「この1カ月の練習が報われた」。正義感が強い子に、との願いを込めて親が名付けた。あだ名はもちろん「デカ」。ただし愛称の響きほどハートは強くない。五輪代表選考会に「緊張で足がフワフワした」と平常心を失った。しかし、「失敗してもいいや」と滑走直前に開き直った。1メートル72の身長は日本人スケーターでは“デカ”い。ダイナミックな滑りで盛り上げ、4回転サルコーを筆頭にジャンプも鮮やかだった。

 この1カ月、ホームの西宮市のリンクとは別に大阪市のスケート場でも練習をした。大阪にあるのは観客席。「会場を想定した」。緊張対策の一つだった。2カ所で計5時間の氷上特訓。日付が変わるまで滑り続け「いつもの全日本なら1カ月前から緊張していたけど、しんどすぎて五輪代表とかも考える余裕がなかった」というほど追い込んだ。

 同じ94年生まれの羽生と先月、メールでエール交換をした。「彼の分も少しでも頑張りたい」。24日のフリーで宇野をのぞく最上位なら代表濃厚だ。9月末に腰を痛めてGP初戦を欠場。出遅れていたデカが、ライバルを撃ち落とす。

 ◆田中 刑事(たなか・けいじ)1994年(平6)11月22日、岡山県倉敷市生まれの23歳。小学1年から競技を始める。林祐輔コーチに指導を受けるため週末は岡山を離れ関西で練習を積んでいたが、倉敷芸術大1年からは拠点を兵庫県に移した。主な実績は11年世界ジュニア選手権2位。昨年のGPシリーズNHK杯3位。1メートル72。趣味はカードゲーム。

 ▽フィギュアスケート平昌五輪への道 男子の代表枠は3。まず全日本選手権の優勝者が代表に決定。2人目は全日本の2、3位、GPファイナル出場の上位2人から総合的に判断して選出される。3人目は2人目の選考から漏れた選手や、全日本終了時の世界ランク、今季の世界ランク、今季の国際連盟公認スコアのそれぞれの上位3人から総合的に選出される。全日本選手権出場は必須だが、世界選手権3位以内の実績がある選手がケガなどで出場できなかった場合は選考に加える可能性がある。