公判に出廷する辛会長=22日、ソウル(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】横領や背任などの罪に問われた韓国ロッテグループの辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)会長(62)らグループ創業家一族らに対する判決公判が22日、ソウル地裁で開かれ、地裁は辛氏に懲役1年8カ月、執行猶予2年(求刑懲役10年)を言い渡した。

 辛氏に執行猶予付き判決が下されたことでロッテの関係者は安堵(あんど)の表情を見せた。辛氏に対する求刑が10年と重いことから、実刑判決が下される可能性も排除できないという懸念があったが、判決を受け「裁判所が賢明な判断を下した」との反応を示した。

 ロッテ関係者はこの日「裁判所の賢明な判断に敬意を表する」とし、「トップの収監という最悪の事態を避けられ幸いだ。今後は国家経済にさらに寄与したい」と述べた。

 ロッテは辛氏が収監された場合、10兆ウォン(約1兆円)以上を投資した海外事業や支配構造の改善のための持ち株会社体制への転換、韓日統合経営などに少なからず支障が生じると憂慮していた。

 特に辛氏の持ち分が1.4%にすぎない日本のロッテホールディングス(HD、本社・東京)の場合、これまで創業者の息子という辛会長の象徴性と個人的な人脈で求心力を維持してきたため、実刑判決を受ければ経営権自体が揺らぐ可能性も取り沙汰される状況だった。

 ロッテは、辛氏が身柄を拘束される最悪の事態を免れたため、これまでと同様にロッテHDが辛氏を中心とする韓日ロッテの統合経営の枠の中で動くことになるとみている。辛氏個人の海外政財界の人脈やネットワークに大きく依存して成長してきた海外事業も、これまで通り大きな支障なく運営できると見通した。

 10月にロッテ持ち株株式会社が正式に発足したのに続き、昨年延期となったホテルロッテの上場を終えることで完成する持ち株会社体制への転換も予定通り進める計画だ。

 しかし、検察が控訴した場合に裁判所がどのような判断を下すか予断できないだけに、ロッテは状況を楽観視せず慎重に対処するとの立場だ。

 ロッテ関係者は「執行猶予判決が出たが、まだ一審が終わっただけで一部の容疑に対しては有罪が認められており、先は長いといえる。国家経済に寄与する企業活動を揺らぎなく行っていく」と述べた。