上野動物園で公開されたパンダ「シャンシャン」(写真:つのだよしお/アフロ)

写真拡大

 日本に初めてパンダが来日したのは、1972年。「カンカン」「ランラン」は瞬く間にブームになり、筆者もパンダのぬいぐるみを買ってもらった当時の子どものひとりだ。

 それから45年後、2017年12月19日にパンダの赤ちゃん「香香(シャンシャン)」が東京・上野動物園で一般公開された。報道によると、その経済効果は東京都内で267億円だという。パンダ人気にあやかったさまざまな売り上げが期待でき、我々にとってもオトクなサービスがあるはずだ。そう考え、公開当日にアメ横界隈に向かった。

 アメ横商店街連合会、通称「アメ横」は、上野駅と御徒町駅を結ぶJR線に沿って広がっている。今回は御徒町駅から上野に向かって各店をチェックしてみたが、平日だったためか思ったほどの人出ではなかった。

 シャンシャンの公開を記念して、海産物や昆布などの乾物に「半額」「特価販売」と書かれたポップがついているが、もともとこの界隈は安値販売が身上のため、逆にパンチに欠ける印象だ。

 さらに、今やアメ横はインバウンド需要で賑わい、訪日外国人の姿であふれている。外国人観光客にとっては、「パンダのベビー公開で盛り上がり中」と言われてもピンと来ないのだろう。メディアの取材クルーの姿は目立つが、期待したほど、街全体に“パンダ推し”は感じない。平日だったせいもあるだろうが、少しさびしい気がした。

●コーヒー1杯無料、カラオケ20%オフも

 気を取り直して、御徒町駅並びの松坂屋上野店に向かった。こちらでは、12月31日まで「ハッピーパンダウイークス」と称して、パンダをあしらった限定デザインボトルのドリンクを配布しているほか、上野動物園のチケットか年間パスポートの提示で利用できる割引やドリンクサービスなど、全38種類の特典を用意しているという。

 松坂屋に来て、ようやく目的のものが手に入った。シャンシャン公開記念グッズや割引などの特典情報をまとめた冊子「上野パンダMAP」だ。上野観光連盟がつくったこちらを見ると、どの店でサービスが受けられるかがわかる。

 たとえば、ディスカウントストアの多慶屋セレクト上野店では、設置してあるパンダ顔出しパネルで写真を撮影し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にアップすると、コーヒー1杯が無料になる(1日先着30名、粗品進呈の場合も。2018年1月14日まで)。

 カラオケのビッグエコー上野広小路店・上野駅前店では、MAPの提示でルーム代が20%オフに(2018年3月末日まで)。激安スポーツショップのロンドンスポーツでは、同じくMAP提示で20%オフになる(2018年1月14日まで)。

 飲食店で受けられるサービスも紹介されており、「アルコール1杯サービス」「コース料金10%オフ」などがあるが、やはり「『上野パンダMAP』の提示で」とあるので、MAPを入手するのが先決だろう。

 しかし、置いていそうな店を探したものの、結局この日は松坂屋のほかには見つけられなかった。御徒町駅で配布すれば一番親切だと思うが、19日に訪れた際には置いてはいなかった。地下鉄の駅はチェックしなかったが、できれば改札近くに配布スタンドがあれば盛り上がるのではないだろうか。

 ちなみに、アトレ上野でも上野動物園のチケット半券提示で優待サービスが受けられる「チケッ得!」を実施している(もともとパンダとは関係なく行われているサービス)。アトレ内のショップでソフトドリンクのサービスや会計が5%オフになるなどの優待が受けられ、動物園だけでなく上野公園内の博物館や美術館の半券でも利用できるので、覚えておくといいだろう。

●もともと安く買える街、それが上野・御徒町

 とはいえ、パンダ特典を使わずとも、上野・御徒町界隈は筆者が愛する激安エリアだ。もともと「ブランド品やコスメが安く買える」と有名だったが、ほかにも目を奪われるほど安く買えるのがレディスファッション。洋服が1000円台で買える店があちこちにある。また、前述のロンドンスポーツを筆頭に、スポーツウエアやグッズが安く手に入るショップも多い。

 食品についても、海鮮だけが安いわけではない。「二木の菓子」は菓子のほか、各種調味料や加工品・レトルト品なども安く買える。アメ横センタービルの地下階はエスニック食材の宝庫で、アジア各国の本格的な調味料やスパイス類が手に入る。日本とは思えないような無国籍な光景も楽しい。外国人観光客がこれだけ押し寄せてくるのも、さまざまなものが安く買える場所という理由もあるだろう。

 たとえシャンシャンに会えなくても、安い買い物には出会える街。それが上野・御徒町だ。

●年に数回ある、上野動物園の無料開園日

 話をパンダに戻そう。シャンシャンの観覧は、しばらくの間は抽選に当たった人のみになるが、そのうち通常営業に戻るだろう。

 少し先になるが、上野動物園には無料開園日があり、3月20日の開園記念日、5月4日のみどりの日、10月1日の都民の日がそれだ。5月5日の子どもの日は、すべての中学生が無料(小学生以下と都内在住・在学の中学生はいつも無料)になる。5月頃にはシャンシャンがフリー観覧になっていると、ありがたいのだが。

 なお、上野以外にもパンダはいる。もっとも多くのパンダを飼育しているのは、和歌山県のアドベンチャーワールドで現在5頭。しかも、観覧者とは仕切りのない屋外運動場でゴロゴロと遊んでいる姿が見られる。2016年に生まれた「結浜(ゆいひん)」が最年少で、こっちはかなり大きくなっている。

 なお、アドベンチャーワールドでは、なんと餌やり体験ができる「パンダラブツアー」(7000円)も実施。また、神戸市立王子動物園にはメスの「旦旦(タンタン)」がいるが、こちらは現在独り身ということだ。

 東京・上野のパンダだけでなく、これをきっかけにパンダブームが一層盛り上がり、各地のパンダを軸に経済効果が2重3重に高まることを期待したい。同時に、さまざまな優待サービスにも期待しよう。
(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)