メルカリ、「テック企業」めざし研究開発組織『mercari R4D』設立


「日本を代表するテックカンパニーになる」──。そんな目標を掲げ、メルカリは研究開発組織「mercari R4D」を設立しました。

●「技術で差別化するフェーズになってきた」

フリマアプリの「メルカリ」は日本・米国・英国の3カ国でサービス展開。今月にはアプリが日米英の合算で1億ダウンロードを突破したことでも話題となりました。

また最近はサービスにAIを積極導入。商品の写真からタイトル・カテゴリ・ブランド・価格などを推定し自動入力する「感動出品」機能を提供します。また、偽ブランドなどの禁止出品物をAIが常時監視するほか、米国版では発送に必要となる出品商品の重量を推定する機能も展開します。

『技術で差別化するフェーズになってきたかなと。イメージするとFacebookがわかりやすいです。最初は使い勝手の良いサービスでユーザー数を拡大していましたが、最近はタイムラインにより興味のあることを表示したり、画像や動画をカンタンにアップロードできる機能を追加しています。彼らは他社の追従を許さないような技術的バリアを作っています。我々も同じようにこれからは技術で差別化していきたいなと思っています』(メルカリ 代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏)

この言葉通り、メルカリは今後3年間でエンジニアを1000人規模に増やす方針。しかし、これでもグローバルで戦うには基礎体力が弱いといいます。

●研究成果の迅速なサービス化めざす

そこで設立したのが、外部の研究パートナーと連携した研究開発組織「mercari R4D」です。いわゆるR&Dですが、既存のR&Dと異なるのは「研究開発だけでなく、迅速なサービス化を目指す」点だといいます。

『例えば調理ロボットがあります。そのロボットを作ると1億円して、実際にレストランを営業するとコストが高くてお店が成り立ちません。だから事業化できません、と。でも我々は、採算度外視でもそのロボットが実際にお店を始めるところを見てみたいんです。だから研究段階でも構わず、まず外に出してみて、世の中の反応を見てみたいと思っています』(山田氏)

mercari R4Dが扱うテーマは下記の8つです。(括弧内は研究パートナー)

・8Kを活用した多拠点コミュニケーション(シャープ 研究開発事業本部)
・無線給電によるコンセントレスオフィス (東京大学 河原研究室)
・類似画像検索のためのDeep Hashing Network (筑波大学 落合研究室)
・ブロックチェーンを用いたトラストフレームワーク (慶應義塾大学 村井研究室)
・Internet of Thingsエコシステム (京都造形芸術大学 クロステック研究室)
・量子アニーリング技術のアート分野への応用(東北大学 大関研究室)

投資規模は2018年は数億円で、2019年以降はさらに増やす方針。研究対象はAIやIoT、ブロックチェーンなどが中心で、メルカリとのシナジーを意識しつつも、それ以外の研究も扱うといいます。「富士フィルムさんみたいにもともとフィルムを作っていたけど、将来的には製薬メーカーになる。そういったこともメルカリはあり得るんじゃないか」と山田氏は語りました。

(更新中)