【ファンキー通信】コアラのうんちは◎! ゾウ・サイ・鹿のは×!
 古代エジプトで生み出された、最古の紙と言われているパピルス。そのパピルスの発明から何千年もたった今世紀、新しい紙の歴史が始まる。

 なんて堅いこと言ってみましたが、実はうんちの話しなんです。

 どうして紙とうんちが? と疑問を持たれるのも当然の話。誰もうんちで紙が作れるなんて考えませんものね。しかも、コアラのうんちで紙を作っている人たちがいるというのだから信じられません。かわいらしいイメージのあるコアラですが、やっぱり臭いが気になります。そこで詳しいお話を、コアラのうんちペーパーで作ったしおりを愛・地球博で配っていた、東山公園協会の斉藤さんにお話を聞いてきました。

 うんちで作られているとのことなのですが、臭くないんですか?

 「それが臭わないんです。草というかハーブのような香りがするんですよ。コアラというのは草食動物でユーカリしか食べないんです。だから、コアラのうんち自体いかにもフンというような臭いはしないんですね」

 なんと、ユーカリが香る紙なんて素敵じゃないですか。でも、原料はうんち・・・。そもそも、なんでコアラのうんちで紙を作ろうとしたんですか?

 「草食動物のフンには草の繊維質があるもので、もともと動物のうんちで紙を作るということは色んな動物園で前々から試されていたことなんですね。うちでも、ゾウやサイ、鹿などで試したのですが、どれも臭いがすさまじかったんです。そこでユーカリしか食べないコアラで試してみたら、臭いのきつくない紙ができたというわけなんです」

 ゾウのうんちペーパーはいかにも臭そうですね。やはりユーカリしか食べないということがポイントです。

 作り方は簡単。まず、コアラのうんちと水をミキサーにかけます。そして、消毒もかねて3時間ほど火にかけます。それを布でこして、つなぎ(牛乳パックなど)にまぜて、乾かすだけ。

 商品化はしないんですか?

 「作るのはいたって簡単なのですが、コアラのうんち自体、一日にカップ一杯分くらいしかとれないんです。それに品質にもばらつきがあるので商品化は今のところ考えておりません」

 商品化されないのはちょっと残念ですね。ユーカリが香るコアラのうんちペーパー、東山動物園に行って、その臭いを確かめてみたいものです。(文/verb)