火災が発生した8階建てのビル=21日、堤川(聯合ニュース)

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【堤川聯合ニュース】韓国中部・忠清北道堤川市のスポーツセンターのビルで29人が死亡した火災で、犠牲者が助けを求める最後の電話の様子を遺族が伝えている。犠牲者の多くが2階の女性サウナで見つかっており、遺族たちは消防隊員が早くに2階の窓ガラスを割って建物内部に入っていれば犠牲者は出なかったと、無念さをにじませた。

 火災発生翌日の22日、行政安全部の金富謙(キム・ブギョム)長官は犠牲者の遺体が安置された堤川市内の病院を訪れ、遺族を見舞った。

 40代の男性は、妻の母親と妻の姉、10代のめいの3人を一度に失った。義母から男性に助けを求める電話がかかってきたのは午後5時20分ごろ。火災の通報が3時53分だったことから、火が建物全体に広がった後と思われる。女性サウナにいた人たちが火災通報から1時間半後はまだ生存していたことになる。

 妻を亡くした男性は、午後4時6分ごろに妻から助けを求める電話を受けた。「電話の向こうから、妻が焦ったように『助けて』と叫んだ。煙でせき込み、きちんと話すことができなかった」と、目を赤くしながら伝えた。男性は電話を切り、すぐに119番通報してから妻に電話をかけたが、妻は出なかったという。わずか5分の出来事だった。

 この火災では29人が死亡、29人がけがをした。2008年にソウル郊外の京畿道利川市の冷凍倉庫で40人が死亡して以来の多数の死者を出した火災となる。

 消防や警察は現在、他にも犠牲者がいないか捜索作業を続ける一方、出火原因を調べるための鑑識活動を進めている。